しかし、こうして生まれた先発医薬品も特許期間が満了すれば、その権利を独占することはできなくなります。他者がその同じ薬を、有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同じ医薬品として新たに申請することができるようになります。
そのような薬は、薬事法などにより薬として非常に厳しい審査は必要ですが、既に長い期間の使用実績があるので、開発期間は3年ほどとなり、開発コストも少なくて済みます。
こうして生まれる医薬品はジェネリック医薬品と呼ばれています。このジェネリック医薬品は基本的に、既に長期間の実績のある薬のコピーとして製造・販売されるので、有効性や安全性などの品質的な違いはないと言えます。
そのために、基本的にジェネリック医薬品は先発医薬品に比べて効果・効能は同じで値段は約半額ほどに抑えることが可能となります。
患者にとっては、ジェネリック医薬品を使用することで支払い医療費が軽減されると期待されます。また、医療費の国庫負担額も減少すると期待されることで医療行政の質の向上に繋がる可能性もあります。
現時点での世界でのジェネリック医薬品の使用状況(2010年)では、アメリカやイギリスなどの医薬先進国では薬の全使用量の80%以上がジェネリック医薬品となっているのに対し、日本では約40%の状況です。
日本国では、2018年(平成30年)3月末までに、ジェネリック医薬品のシェアを60%以上に引き上げるという目標を掲げています。
ジェネリック医薬品は、複数の企業から発売されることがあります。基本的には、有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果は同じです。しかし、各社により独自な改善が加えられることもあり、味、におい、保存性などに違いがある場合もあります。また、薬価も異なります。
ジェネリック医薬品に変更したい場合には、治療を受ける病院などで、申し入れれば変更してもらうことができます。
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