一方、DNAと関連の深い物質にRNA(リボ核酸:Ribonucleic acid)と呼ばれる物質がある。
RNAは、「リボース」という糖と「塩基」、および「リン酸」から構成される。リボースと結合できる塩基には、「アデニン」「グアニン」「シトシン」および「ウラシル」という4種類があり、それぞれ、A,G,C,Uと記号される。DNAの場合のチミンの代わりにウラシルが入る形である。
リボースと塩基が結合したものを「リボヌクレオシド」といい、これに更にリン酸が結合したものが「リボヌクレオチド」である。RNAは、このリボヌクレオチドというモノマーが連なってできたポリマーである。
DNAとRNAとの違いは、使用される糖と塩基の違いであり、DNAでは、デオキシリボース糖とA,G,C,T塩基が使用されるのに対して、RNAでは、リボース糖とA,G,C,U塩基が使用される点である。
ヌクレオチドなどの化学的な意味合いは上記のようであるが、では、ヌクレオチドは一体のような役割を果たすのかなどを説明しましょう。
ヌクレオチドは、DNA(デオキシ核酸)やRNA(リボ核酸)の構成単位として極めて重要な物質で、あらゆる組織に存在し、遺伝情報を保持し、またその情報を発現させて、たんぱく質合成に関与する機能をもっています。
ヌクレオチドは、食事から摂取することもできますが、基本的に細胞内で生合成されています。消化管粘膜の増殖・分化の促進、免疫細胞の活性化、ビフィズス菌などの腸内細菌の増殖促進、脂質代謝の改善、鉄分の生体利用性の向上など多くの生理機能をもっています。
ヌクレオチドには、多くの機能や効果があるため、生体内での合成だけでは不足する場合、健康食品や病人用の点滴成分などに加えられています。また、赤ちゃん用のミルクやペットの健康維持用として餌に添加されるようになっています。
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