有機野菜や無農薬野菜は無条件で安全・安心だと考えている人が多いのではないでしょうか。 でも、一概にそうとは言えないのです。 農薬は明らかに有害物質ですから、使用しない方がいいのは確かです。 では、有害な農薬を使用しないで、有機肥料だけで育てた有機野菜はどうでしょうか。 有機物だけを与えた野菜は有害物質を含まないという意味では完全に安全ということになります。
しかし、このような農業を繰り返していると、本来、土地に含まれるべき、窒素、燐酸、カリウムなどの有用栄養成分や微量の無機質の金属成分などがどんどん減少してしまいます。有機栽培だけでは、見た目は美しい野菜ができたとしても、肝心な栄養分や微量無機成分が不足してしまうのです。できるだけ農薬は使わないようにし、必要量だけの化学肥料は使うべきなのです。 有機栽培の野菜というと農薬も肥料を何も与えないから無条件に安全であると理解している方も多いのですが、これでは十分に栄養分を含んだ野菜は生産できないのです。ですから、一番、安全・安心な野菜は、 無農薬栽培+有機栽培+化学肥料 という組み合わせで生産された野菜だということになります。現在、各地に、道の駅やそれに類する、産直野菜販売所がありますが、このような観点から厳しく管理されて生産されているので、嬉しい限りです。安全・安心の野菜を、その日の朝に収穫し、新鮮なうちに召し上がるのが、本来の野菜の味を楽しむ秘訣ともいえるでしょう。