日本での戸籍に用いられる文字は、戸籍法により定められています。子の名として戸籍に記載できる漢字として、〔常用漢字〕の他に〔人名用漢字〕があり、これらの漢字を含め、名前に使用できる文字種は、次のものに限られています。
・常用漢字 |
日本での戸籍に用いられる文字は、戸籍法により定められています。子の名として戸籍に記載できる漢字として、〔常用漢字〕の他に〔人名用漢字〕があり、これらの漢字を含め、名前に使用できる文字種は、次のものに限られています。
・常用漢字 |
上記のように、6種類の文字種が用いられるとされるものの、特殊な用例を除くと、「日本における子の名にはできるだけ常用平易な文字を用いることが理想である」とされ、「子の名に用いる漢字は常用漢字によることが望ましい」とされています。 |
常用漢字 | |
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常用漢字 |
常用漢字は、小中学校時代にしっかり学習する文字で、普通の日本人なら誰でも知っていて、よく使われる簡易な文字種です。
〔例:常用漢字〕
尚、1946年に1850字からなる「当用漢字表」が制定され「当用漢字」と呼ばれていましたが、1981年の「常用漢字」の告示に伴い、当用漢字は廃止されました。 |
人名用漢字 | |
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人名用漢字 |
人名用漢字とは、日本における戸籍に子の名として記載できる漢字のうち、常用漢字に含まれないものを指します。(別のページで詳細を記述しています。)
〔例〕 |
平仮名 | |
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平仮名(ひらがな) |
・あ い う え お |
片仮名 | |
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片仮名(カタカナ) |
・ア イ ウ エ オ |
踊り字・躍り字 | |
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踊り字・躍り字 |
踊り字や躍り字とは、日本語表記で使用される特殊記号の一つで、次のものなどがあります。これらは文字のように見えても、あくまでも文字ではなく記号です。
・「々」:同じ文字を重ねるときの記号 |
「々」 |
「々」は、句読点の「、」や「。」等と同じ「おどり字」の仲間であり、同じ文字を重ねるときに使う記号です。この記号に独自の読み方はありません。
・ノマ ・のま ・ノマ字点 通常、同じ漢字が続いて繰り返されるとき、第二番目の文字に代えて「々」を用いる場合、その読み方は第一文字に従います。濁点のある文字では濁る場合が多いです。
〔例〕 この記号を用いた場合の名前や苗字には次のようなものがあります。
〔例〕
蛇足ながら、この記号「々」を、パソコンやスマートフォンで単体で表記したい場合は、「のま」「おなじ」「どう」「くりかえし」などから表示・変換できます。 |
「ゝ」 「ゞ」 |
記号の「ゝ」は、「ひらがながえし」と呼ばれ、平仮名(ひらがな)を繰り返す際に使用されます。濁る場合には「ゞ」が使われます。この記号には正式な読みはありません。
〔例〕 |
「ヽ」 「ヾ」 |
記号の「ヽ」は、「カタカナがえし」と呼ばれる踊り字の一種で、カタカナを重ねる際に使用されます。濁る場合には「ヾ」が使われます。
〔例〕 |
「一の字点」 (いちのじてん) |
「一の字点(いちのじてん)」とは、踊り字の一種で、「ゝ」「ゞ」「ヽ」「ヾ」の総称です。 主要な新聞では、「一の字点」は固有名詞以外は使用しないとのガイドラインが決められているとされています。 |
長音符 | |||
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長音符 |
長音符は、長く伸ばして発音する音の表記用記号、長音に読まれるべきことを表す記号や文字をいいます。 これらの長音符の中で、名前に用いることのできるのは「ー」だけです。
〔例〕
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名を示す文字や記号としては、上記に示した文字や記号以外の古代文字や英文字(アルファベット)、ローマ数字、算用数字は用いることができません。また、踊り字以外の記号文字も許されていません。 |