〔故事・名言〕

　〔故事成語〕や〔故事成句〕は、ものごとの由来を示したり、たとえ話として使われたり、あるいは自分の念願や強い思い入れを表したりする際によく使われます。

　ときには、戒めの言葉として自分を鼓舞したり、あるいは他人に面と向かって単刀直入には言いにくいことを、遠回しに伝えたりする道具としても使われます。

　更に、物事が絡み合って複雑で難解になってしまったようなとき、内容を端的に表現するためにも使われます。

　中国の古典的な書物には、多くの薀蓄のある言葉が記されています。中国四千年の歴史に登場する偉大な人物は数限りなく存在し、それらの偉人たちが残した書物や言葉は、現代日本においても、慣用句や諺などとして日常的に使われています。

　人物では、孟子や孔子、烈子、韓非子、始皇帝、諸葛孔明などその数を知らず、書物では、易経や論語、孫子兵法、史記、三国志、水滸伝、西遊記など枚挙にいとまがないほどです。

　この〔故事・名言〕のコーナーでは、古来の偉人たち残した書物や言葉、特に現代まで伝承されてきた慣用句などを紹介していく予定です。（ちょっと先になるかも）

　人生は複雑なもの、時に楽しく、ときに悲しく、心弾むときもあれば、逆に心が沈んで生きることさえ嫌になることもあります。その時々で人の心はいろいろと変化してしまいます。特に心が癒しを必要とする場面では、優れた偉人たちが残してくれた名言と呼ばれる言葉が傷んだ心を癒してくれたり、励ましてくれるものです。

　先人たちが残してくれた、心に響く言葉や励ましの言葉、人間の本質や心理をずばりと捉えた言葉などを、人々は名言といいます。歴史に残る、あるいは歴史を変えたような偉大な業績を残した偉人たちは、人間の本質をしっかりと見つめながら偉業を成し遂げてきた人たちなので、名言には人々を導くようなそれなりの重みがあります。

　名言と呼ばれる言葉には、偉人たちがいろいろな場面や論文、あるいは書きものなどに書き記したものがある他、一方で、映画や物語、あるいは漫画などの作品における登場人物がふと話した名せりふ的なものもあります。

　その名言がどのように生まれてきたかは別としても、名言に接するとき、ひとびとはときに人生そのものを変えてしまうほどに感化されます。また、これを人生訓としたり、座右の銘として大切に人生を生きる人もいます。名言には魔法の力が秘められているのです。