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〔う〕で始まる言葉

ウラン型核爆弾
 
 

〔ウラン型核爆弾〕

 北朝鮮が核兵器を保有するようになった現在、日本は二度の原爆投下という核爆弾の脅威に晒されている。

 核兵器とは一体どのような原理と仕組みで作られるのか考えてみた。

 現在、全世界に存在する核兵器の数は3万個もあるとされている。

 第二次世界大戦が終結後に、何度となく核兵器の残酷さが唱えられ、核軍縮が話し合われたが、結局何の成果を見ることもなく、このような事態になってしまったのである。



 ロシア  7500
 米国  7260
 フランス   300
 中国   260
 英国   215
 パキスタン   100~120
 インド    90~110
 イスラエル    80
 北朝鮮     6~8

 たった、1グラムのウランが石炭3トンものエネルギーに匹敵する核エネルギーを持つとされる。

 このことからも分かるように、核兵器の恐るべき威力は絶大であり、それ故に、これを保有する国は国際的に一定の影響力を誇示することができる。

 故に一度、核兵器を手にした国は決して手放したりなどしないのである。



ウラン型核爆弾の威力

 更に、北朝鮮のような自制心のない国までもが核爆弾を持つようになり、これがいつ国際テロ組織に渡らないとも限らない時代となってしまった。

 北朝鮮は、愚かな政府を持ち、全国民が困窮のために滅亡するなら、それと引き換えに日本をも滅亡させてやろうということを真剣に考える国だから、本当に困ったものである。

 2015年6月16日付の読売新聞によれば、現時点での事実上の核爆弾保有数は図の通りとなっている。(原典は〔ストックフォルム国際平和研究所調べ。推定値〕)



〔二種類の核爆弾〕

 本題のウラン型核兵器の話に移ろう。周知の通り、核兵器は通常爆弾のような化学反応ではなく、原子核で起こる核分裂や核融合を利用した、瞬時にけた外れのエネルギーを放出する爆弾である。

 核爆弾の代表的なものが、広島、長崎に投下された原子爆弾であるが、比較的単純な原子爆弾1個でも、TNT火薬に換算して1万トンほどの威力がある。近年の大型通常兵器の威力でさえも、広島や長崎に投下された原爆の僅か1%にも及ばないのだから、原爆の威力が如何に凄まじいか理解できよう。

 核爆弾は、大きく分類すると、核分裂を利用した原子爆弾と、核融合を利用した水素爆弾に大別される。更に、原子爆弾は高濃縮ウランを用いたウラン型原爆と、プルトニウムを用いたプルトニウム爆弾とに分かれる。


〔核爆弾の臨界質量〕

 これらの物質を一定量集めて塊を作れば、自発的に急激な核分裂の連鎖反応を起こし、核爆発してしまう。このような物質を一定量製造しさえすれば、もう核爆弾はできてしまうのである。連鎖反応を起こす最低限の量を「臨界質量」と呼び、ウラン235なら46.5キログラム、プルトニウム239なら10.1キログラムあれば十分である。これだけの量を集めれば自発的に爆発してしまいます。

 しかし、核爆弾の場合、球体の中心部に核物質をおき、その周囲から通常火薬を爆発させて均一に圧力を加える爆縮を行うと、ウラン235の臨界質量は15キロとなり、プルトニウム239なら5キロとなります。このような工夫により、実質的な臨界質量は減少し、プルトニウムなら1キロちょっとで核爆弾はつくれるともいわれます。


〔広島型原爆の構造〕

ウラン型核爆弾

 ウラン型核爆弾は、左図に示すように、高純度に濃縮されたウランの臨界以上の量を、砲身の中で二つに分割して入れておけば完成する。使用する瞬間にそれらを一つに合わせれば核爆発を起こすのである。

 二つの部分に分割されたウラン235の塊の左側に、通常爆薬を入れておき、使用するときに、この爆薬を爆発させると、左側のウランの塊が爆発圧力で右側に移動し、右側のウラン235と結合する。このような構造のために、ウラン型核爆弾は「ガン型」と呼ばれ、広島型原爆はこのタイプである。


核爆弾開発の歴史

〔核爆弾開発の歴史〕

 第二次大戦以降、世界の強国は核爆弾や核ミサイルの開発を行い、現在では核兵器の数が3万発にもなってしまったが、現在までの核兵器をめぐる出来事を年代順にまとめてみた。

主な核爆弾の開発歴史
1905年  アインシュタインが特殊相対性原理を発表し、核の威力を発見
1938年  ドイツのオットー・ハーンらが核分裂発見
1940年  米カリフォルニアでプルトニウム発見
1945年
7月
 米国が初の核実験実施
1945年
8月
 米国が広島、長崎に原爆投下、20万人死亡
1949年
9月
 ソ連の核実験を米国が発表
1952年
10月
 英国が初の核実験
1954年
3月
 第五福竜丸が水爆実験の死の灰で被爆
1957年
7月
 国際原子力機関IAEA設立
1960年
2月
 フランスが初の核実験
1963年
8月
 米英ソが部分的核実験禁止条約に調印
1964年
10月
 中国が初の核実験
1968年
7月
 核拡散防止条約NPT調印
1974年
5月
 インドが初の核実験
1993年
3月
 南アが過去の過去の核兵器製造と解体を公表
1995年
9月
 フランスが核実験再開
1996年
9月
 国連が核実験全面禁止条約CTBT採択
1998年
5月
 インド、パキスタンが核実験
1998年
8月
 北朝鮮テポドンの発射実験
2006年
7月
 北朝鮮がテポドン2などのミサイル発射実験
2006年
10月
 北朝鮮が核実験実施を発表

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