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〔エルニーニョ現象〕 |
〔エルニーニョ現象〕は、太平洋赤道域の中央部で日付変応線付近から、南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて異常に上昇し、その状態が1年程度継続する現象をいいます。 |
ちなみに、エルニーニョ現象とは逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象が発生することがあり、〔ラニーニャ現象〕と呼ばれています。 |
しかし、私がアメリカやメキシコの会社で働き、現地人と話した経験からすると、この言葉は確かにスペイン語ですが、 |
〔エルニーニョ現象〕 一般的に、冷たい水は密度が大きいために、海洋では深層には冷たい水があります。その上層には、温度が高く密度が小さい水が分布しています。 太平洋の低緯度海域の海面上の気圧は、東部で高く、西部のインドネシア付近で低くなるような気圧差があります。この気圧差によって、太平洋の赤道域付近の海面上では、東から西に向かっての貿易風が吹いています。 この貿易風によって、温かい海水は太平洋の西側インドネシア近海に向かって吹く寄せられ、海面下数百メートルまでは暖かい水が蓄積しています。一方、南米ペルー沖では、貿易風と地球の自転の相乗作用で、深海にある冷たい水が海面付近まで湧き上がってきます。 このため、平年であれば、太平洋赤道付近の海面水温は、東部で低く西部で高い形でバランスしています。このようにインドネシア近海では、海面水温が高いために、海面からの水蒸気の蒸発が盛んとなり、大量の水蒸気が大気中に供給され、上空には盛んに積乱雲が発生します。 ところが、数年に一度、このバランスが崩れて、東風が平常時よりも弱くなることが起こります。すると、西部域に蓄積していた暖かい海水が東方へ拡散してゆくとともに、東部域では、深海からの冷たい水の湧き上がりが弱まってきます。 このため、太平洋赤道域の中部から東部にかけて、海面水温が平常時より高くなり、それに伴って積乱雲が盛んに発生する海域も、平常時よりも東方向へ移動してきます。 この変化は、ペルー沖やインドネシア海域だけでなく、全世界の気象に大きな影響を与えることになります。このような現象を〔エルニーニョ現象〕と呼んでいます。 大規模なエルニーニョ現象が発生すると、北米や日本付近にも異常気象が現れ、全世界に大きな経済的損失をもたらすとされています。 尚、気象庁は、エルニーニョ現象を次のように定義しています。
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〔日本の気象異常〕 エルニーニョ現象が日本の気象に与えたと考えられるデータから、エルニーニョ現象が発生している年には、次のような気象変動が認められます。(気象庁:1994年「近年における世界の異常気象と気候変動-その実態と見通し-(V)」)
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〔過去のエルニーニョ現象発生状況〕 過去のエルニーニョ現象は、頻繁に発生していますし、今後も頻繁に発生するものと考えられます。ちなみに過去のエルニーニョ現象、ラニーニャ現象の発生状況は次のようになっています。
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