HOME気になる言葉館 現在:PC版スマホ版へ移動
気になる言葉

エルニーニョ現象



 〔エルニーニョ現象〕は、太平洋赤道域の中央部で日付変応線付近から、南米のペルー沖にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて異常に上昇し、その状態が1年程度継続する現象をいいます。

 1972~1973年に発生した大規模なエルニーニョ現象を契機に、特に米国において、気象学的に注目されるようになりました。


 ちなみに、エルニーニョ現象とは逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象が発生することがあり、〔ラニーニャ現象〕と呼ばれています。

 また、「エルニーニョ」 や 「ラニーニャ」 の語源ですが、多くのネット情報などでは、スペイン語で

 エルニーニョは 「神の子」 「男の子」

 ラニーニャは 「女の子」


という風に訳されています。
 しかし、私がアメリカやメキシコの会社で働き、現地人と話した経験からすると、この言葉は確かにスペイン語ですが、

 エルニーニョは 「餓鬼っ子」 「腕白小僧」

 ラニーニャは 「おてんば娘」


という意味合いが強いです。


エルニーニョ現象 〔エルニーニョ現象〕とはどんな現象かの説明です。
エルニーニョ現象  一般的に、冷たい水は密度が大きいために、海洋では深層には冷たい水があります。その上層には、温度が高く密度が小さい水が分布しています。

 太平洋の低緯度海域の海面上の気圧は、東部で高く、西部のインドネシア付近で低くなるような気圧差があります。この気圧差によって、太平洋の赤道域付近の海面上では、東から西に向かっての貿易風が吹いています。

 この貿易風によって、温かい海水は太平洋の西側インドネシア近海に向かって吹く寄せられ、海面下数百メートルまでは暖かい水が蓄積しています。一方、南米ペルー沖では、貿易風と地球の自転の相乗作用で、深海にある冷たい水が海面付近まで湧き上がってきます。

 このため、平年であれば、太平洋赤道付近の海面水温は、東部で低く西部で高い形でバランスしています。このようにインドネシア近海では、海面水温が高いために、海面からの水蒸気の蒸発が盛んとなり、大量の水蒸気が大気中に供給され、上空には盛んに積乱雲が発生します。

 ところが、数年に一度、このバランスが崩れて、東風が平常時よりも弱くなることが起こります。すると、西部域に蓄積していた暖かい海水が東方へ拡散してゆくとともに、東部域では、深海からの冷たい水の湧き上がりが弱まってきます。

 このため、太平洋赤道域の中部から東部にかけて、海面水温が平常時より高くなり、それに伴って積乱雲が盛んに発生する海域も、平常時よりも東方向へ移動してきます。

 この変化は、ペルー沖やインドネシア海域だけでなく、全世界の気象に大きな影響を与えることになります。このような現象を〔エルニーニョ現象〕と呼んでいます。

 大規模なエルニーニョ現象が発生すると、北米や日本付近にも異常気象が現れ、全世界に大きな経済的損失をもたらすとされています。

 尚、気象庁は、エルニーニョ現象を次のように定義しています。

気象庁によるエルニーニョ現象の定義
エルニーニョ監視海域  東部から中部太平洋赤道域(北緯4度~南緯4度、西経150度~西経90度の海域)

月平均海面水温が平年からの偏差  (平年値は1961~90年の 30年間の平均値)の5か月移動平均値が6か月以上続けて 0.5℃ 以上高くなった場合を、〔エルニーニョ現象〕と呼ぶ。





日本の気象変動 〔エルニーニョ現象と日本の気象変動〕の説明。
日本の気象異常  エルニーニョ現象が日本の気象に与えたと考えられるデータから、エルニーニョ現象が発生している年には、次のような気象変動が認められます。(気象庁が1994年「近年における世界の異常気象と気候変動-その実態と見通し-(V)」)

エルニーニョ現象での気象異常発生
 梅雨期  梅雨明けが平年並みまたは遅れる。
 夏の天候  6月~8月の平均気温が平年並みまたは低くなる。
 台風  その前年や翌年に比べ、発生数が少なくなる傾向がみられる。
 冬の天候  12月~2月の平均気温が平年並みまたは高くなる。

過去のエルニーニョ現象
発生状況
 過去のエルニーニョ現象は、頻繁に発生していますし、今後も頻繁に発生するものと考えられます。ちなみに過去の発生状況は次のようになっています。

時期 エルニーニョ現象 ラニーニャ現象 異常気象発生例
1949年夏~1950年夏  
1951年春~1951/1952年冬  
1953年春~1953年秋  
1954年春~1955/1956年冬  
1957年春~1958年春  
1963年夏~1963/1964年冬  
1964年春~1964/1965年冬  
1965年春~1965/1966年冬  
1967年秋~1968年春  
1968年秋~1969/1970年冬  
1970年春~1971/1972年冬  
1972年春~1973年春  
1973年夏~1974年春  
1975年春~1976年春  
1976年夏~1977年春  
1982年春~1983年夏  
1984年夏~1985年秋  
1986年秋~1987/1988年冬  
1988年春~1989年春  
1991年春~1992年夏   日本で暖冬・冷夏
1995年夏~1996年冬   日本で猛暑・寒冬
1997年春~1998年春   日本で大暖冬、欧州東部で洪水、北アメリカで豪雨、東南アジアで少雨、全世界で高温
1998年夏~2000年春  
2002年夏~2002/2003年冬   東・東南アジア・欧州で大雨、インドで低温、インド・豪東部で干ばつ
2005年秋~2006年春   パキスタン・インド・モンゴルで少雨、欧州・東アジアで低温、平成18年豪雪
2006年夏~2006年冬・2007年春   日本で大暖冬、豪で干ばつ、ボリビア・ペルー・東アフリカで洪水
2007年夏~2007年秋   2007年9月現在:気象庁のエルニーニョ監視速報で「発生していると見られ、冬まで続く可能性が高い」と。