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〔おれおれ詐欺〕



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 「オレオレ詐欺」とか「振り込め詐欺」が横行しています。いろいろな手口で特に老人を騙してお金を振り込ませるやり口です。

 先ず、ごく一般的な手口ですが、次のような電話を掛けてきます。

 突然、とても親しそうな口調で「おれだよ、おれ!」という電話が掛かってきます。


 電話にでた、田舎の爺ちゃんや婆ちゃんが、「〇〇ちゃんかい?」などと聞き返すと、「そうだよ。〇〇」とオウム返しに返事をしてきます。

 大抵の場合、爺ちゃん、婆ちゃんは、もう〇〇ちゃんからの電話だと信じ込んでしまいます。「婆ちゃん、俺さあ、事故に合っちゃってお金が必要なんだあ。すぐに少し振り込んでくれよ?」などと相手が言ってきます。


 〇〇ちゃんからの電話だと信じ込んでいる婆ちゃんは、相手の指定した銀行口座に現金を振り込んでしまうんです。お金を振り込んでしまうと、相手はそれを直ぐに引き出してしまうのでもう取り戻しようがなくなります。

 このようなやり口から、「おれおれ詐欺」という名前の付いた悪質な詐欺事件です。警視庁の発表では、平成19年の上半期に東京都内で起こった「振り込め詐欺」事件の被害件数は、1,055 件もあり、そのうち「おれおれ詐欺」事件が 828 件もあったそうです。

 「おれおれ詐欺」をはじめとするこのような詐欺事件は、ますます増加していて、その犯行手口はますます巧妙になっています。ここでいくつかの手口を紹介してみます。これらを参考にして、絶対に「おれおれ詐欺」事件に巻き込まれないように注意しましょう。


オレオレ詐欺詐欺団の犯行手口 〔詐欺団の犯行手口〕オレオレ詐欺・振り込め詐欺の犯行手口の説明です。
お金が必要な理由

 オレオレ詐欺とか、振り込め詐欺では必ず、突然電話が掛かってきて、何かの理由でお金が必要になったと言ってきます。その理由や手口は様々ですが、典型的なのが次のようなものです。

<子供から両親や祖父母へ電話>
 ・会社のお金を使い込んでしまい、バレそうなので直ぐお金が必要
 ・交通事故で、他人に大怪我をさせてしまい、示談金が必要
 ・とても高価なものを壊してしまって、弁償にお金が必要
 ・サラ金からお金を借りてしまい、すぐ返さないと殺される
 ・友達の保証人になった。代わりに返済しないと命が危ない

<警察官や弁護士などを名乗って電話>
 ・お孫さんが交通事故にあって手術をするのにお金が必要と要求
 ・息子さんが電車で痴漢をして逮捕されている。示談金が直ぐ必要

オレオレ詐欺犯行例

 オレオレ詐欺の手口は無数にあるのですが、その犯行例を理解しておくことも重要です。ここでは三つの例を示しますので、これを参考にして、このような被害に会わないようにしましょう。

オレオレ詐欺・振り込め詐欺などの犯行例
犯行例1
使い込み

 「母ちゃん、今すぐお金を振り込んで。こないだからペンキ販売の仕事してたんだけど、資金繰りがうまくいかなかったんで、つい会社のお金を使い込んでしまったんだ。たった今、会社の監査役が来てるから、バレたら会社も首になっちゃうし、警察沙汰になって逮捕されそうなんだ。助けて。。。」

犯行例2
借金の保証人

 「母ちゃん、助けて。今すぐ、お金を貸して。友達が借金するときについ、保証人になってしまったんだけど。友達が返済できないんで、俺が返さないとまずいんだ。今、友達と一緒なんだけど、怖そうな暴力団が来ていて危ないんだ。たのむから、直ぐ振り込んで」

犯行例3
痴漢

 「△△警察の□□です。お宅の息子さんが電車内で痴漢をして逮捕されています。相手の女性は示談にしてもいいと言ってくれています。事件として新聞に載るのもいやでしょうから、すぐに至急○○○万円を振り込んでください。」


オレオレ詐欺騙しのテクニック 〔オレオレ詐欺〕での騙しのテクニックの説明です。
オレオレ詐欺による
騙しのテクニック

 おれおれ詐欺や振り込め詐欺のだましのテクニックは、時が経つに連れてますます巧妙化しています。ここにいくつかのパターンを示してみましたので、このような電話が掛かってきたら、先ず、怪しいと思ってください。

携帯番号変更型

 息子さんを名乗る人間から電話が掛かってきます。「あっ、俺だけど、今度、携帯電話の番号変わったからメモしといて」などと連絡してきます。電話番号を控えているうちにこちらは、本当に息子からの電話だと思い込むようになります。

 こちらが警戒感を無くしたところで、騙しの電話に話を進めてきます。

風邪ひき型

 電話が掛かってくると、相手は過ぎに風邪を引いたような、咳払いなどをして言います。「ちょっと、風邪を惹いちゃったんで声が変だと思うけど、俺だから」

 これで、電話を受けた爺ちゃん、婆ちゃん、父ちゃん、母ちゃんは、すぐ自分の孫や息子からの電話だと信じ込んでしまいます。これが風邪ひき型のおれおれ詐欺の手口です。先ず、相手に声が変だとの疑問を抱かせないようにするのです。

 そして、こちらが警戒感を無くしたところで、騙しの電話に話を進めてきます。

劇団型

 最近、はやりのおれおれ詐欺の手口がこの劇団型です。これはとても巧妙な手口で、一種の劇団風の芸をして見せることで、祖父母や父母を騙します。演技が真に迫っているので、騙されてしまう人が多いのです。

 電話の向こう側で複数の人間が登場して、あたかも現実に何かが進行しているかのような尤もらしい話を展開させます。登場人物の数は複数で、こちらの息子を装う犯人の他にいろいろな役割を分担しています。

 主な登場人物の役割分担例はこんな感じです。
 ・こちらの、息子さん、お孫さん、ときにはご主人など身内を装う者
 ・警察官や弁護士、鉄道関係者を装う者
 ・痴漢の被害者を装う女性が登場
 ・交通事故で被害を受けたと主張する者

 この劇団型では、最初に息子さんやお孫さんを偽る犯人から電話がかかり、泣きじゃくりながら、大変なことになってしまったと言ってきます。

 じきに、警察官や弁護士などを装った者が出てきて、「実は、息子さんが電車で痴漢をして逮捕されまして、現在、〇〇警察署で取調べ中なんですが、被害にあった女性と弁護士さんも同席しています」というように話を展開してきます。

 そして、被害にあった女性の泣き声を聞かせながら、今度は弁護士なる者が電話にでて、「私は、弁護士の〇〇と申します。よろしくお願いいたします」と丁寧な口調で話しだします。「現在、被害にあった女性から詳しいお話を伺っているのですが、お宅の息子さん、結構ひどいことをしてしまったようですよ。それで、どうするかなんですが、彼女も忙しい方なので、事件にしないで示談でもいいと仰っております。事件にすると息子さん尾履歴にも傷がつくことですし、示談で済むなら、それもいい話だと思うのですが」と話を更に展開させて、示談でもいいと伝えてきます。

 突然にこのような情景を突きつけられて、多くの方は、気が動転してしまいパニックになってしまいます。話を聞いているうちに、こちらが不安になるような話の筋書きがどんどん進み、何かを確認しようとするとタイミングよく相手が電話をかわるので質問もできません。結局、相手のペースに完全に嵌ってしまい、すぐに現金を送金してしまうのです。統計では、おれおれ詐欺の手口を知っている人でも騙されることが多いとのことです。

時間がない型

 息子さんからの突然の電話で、緊急にお金が必要になったと伝えてきます。いろいろな騙しの手段を使って、こちらに信じ込ませると、もう、銀行の閉店間際で時間が無いから「とにかく、急いでもらいたいんだ」などといって、すぐに振り込みを要求してきます。

宅配便型

 おれおれ詐欺は銀行振り込みだけとは限りません。ときには、書留や宅配便、小包、定型郵便物などで指定の場所に送金して欲しいという要求をしてくることもあります。

不在ねらい型

 おれおれ詐欺の電話が最も多い時間帯は、午前10時から午後2時くらいまでとなります。この時間帯は、サラリーマンなど仕事を持っている人は大抵、自宅にはいないからです。自宅を留守番している主婦や、祖父母をターゲットにして騙しの電話してくるのです。

再度狙い型

 一度、おれおれ詐欺で振込みをしてしまうと、すぐにまた同じような電話が掛かってきます。息子さんを名乗る者が言います。「さっき、送金してもらったんだけど、まだちょっと足りないんだ。あと300万円送ってもらわないと殺されちゃうかもしれない」

 このようにこちらの不安を煽りながら、何度でも要求してくるのです。お金を一度でも振り込むと、犯人たちはこう考えます。「こいるからはお金が取れるぞ」と。

架空請求詐欺型

 おれおれ詐欺とはちょっと違いますが、裁判所などからの手紙のように見せかけて、不特定多数の人の自宅宛に、封書を送付してきたり、インターネットのメールで連絡してきたり、郵便で連絡してきます。

 開封してみると、中には、裁判所からの手紙のようなものが入っていて、こう書いてあります。「こちらは〇〇税務署ですが、あなたの昨年度の固定資産税が未払いとなっております。つきましては、〇〇日までに未払い金額の 283,400円を下記口座まで送金してください」

 また、ネット上のメールでも同様なことが起こります。メールの差出人のアドレスを見ると 「katsusika_zeimusho@hotmail.com」 などとなっていて、直ぐに偽者だと分かります。税務署が「hotmail」などの無料メールなんか使うわけがありません。

融資保証金型

 不特定多数を相手に、実際には融資などしないにも関わらず、あたかも融資できる旨の文書などを送付してきます。たまたま、お金に困っている相手にこのような文書が送付されてくると、気持ちがぐらついてしまいます。

 手紙には、融資申込書なるものが同封されていて、融資を申し込む際には、保証金名目で何がしかのお金を指定の銀行口座に振り込むように指示が書いてあります。

 本当にお金に困っている人は、融資が受けられるならと、その保証金なるものを振り込んでしまうのです。


オレオレ詐欺撃退法 〔オレオレ詐欺撃退法〕の説明。
オレオレ詐欺が狙うのは
あなたかも

 おれおれ詐欺や振り込め詐欺は、各地で依然として続いています。多くの場合、高齢者や家で留守番をしている専業主婦などを狙います。

 親が自分の子供を大切に思う気持ちや、家族を大切にする気持ち、孫を可愛がるおじいちゃん、おばあちゃんの心理を、巧に利用する卑劣極まりない犯行です。

 おれおれ詐欺も、当初は単に息子を装うような単純な手口が多かったのですが、最近では、警察官や弁護士、保険会社員、駅員などを名乗って、まるで事件や事故の仲介をしているような口ぶりで示談金を振り込ませようとする、劇団型と呼ばれるような手の混んだものも登場しています。

 このような犯罪に巻き込まれないように、日ごろから、家族で緊急時の連絡方法などを相談しておき、連絡先や方法を電話の近くに貼っておくのがよいアイディアです。

不審電話を受けたら

 おれおれ詐欺であれば、こちらの気持ちを大きく動揺させることが基本的な手口になります。

 このような電話を受けたら、まずオレオレ詐欺、振り込め詐欺かも知れないと疑ってみて、事実の確認をしましょう。

オレオレ詐欺を疑ってみる
落ち着いて

 怪しい電話だと思っても、動揺したり、慌ててはいけません。先ず、深呼吸して落ち着きましょう。

息子や孫の電話番号確認

 オレオレ詐欺では電話番号が変わったなどと言ってくることが多いので、それに騙されないように、息子や孫のもともとの電話番号に電話しましょう。元々の番号に掛けなくてはいけません。これが大事です。

 くどいですが、怪しい電話を切ったら、事実確認のために、自宅にメモしてある息子さんやお孫さんの電話番号に電話して確認します。

 ここが極めて重要です。

 相手が言ってきた番号ではなく、自宅にメモしてある番号でなくては意味がありません。おれおれ詐欺だったら、先ずはこれで確認できます。携帯電話を失くしたり、盗まれたケースもあるので未だ100%安心とはいえませんが。。。

こんな電話は危険

 多くの場合、オレオレ詐欺犯は、警察や弁護士、保険会社、駅員などと言って電話してきます。

 でも、次のようなことは決してありませんから、そのような電話は嘘と思って疑ってください。

 ・警察が示談の仲介をすることなど決してありません。

 ・弁護士や保険会社、駅員などが、痴漢犯罪や交通事故の直後に示談金の振込みを勧めることは決してありません。

警察へ通報

 変だと感じたり、不審に思うことや心配に思うことがあれば、すぐに警察に通報しましょう。

 相手によっては、脅迫めいた言動を受けることも多々あります。しかし、毅然とした態度で接し、すぐに警察に通報しましょう。

お金の振り込みは禁止

 不審電話は、先ず警察に通報し、お金の振り込みや、自宅にお金を取りに来るような話には応じないでください。

 ・すぐにお金を振り込んではいけません。

 ・お金を振り込む前に、自分の家族や親戚、あるいは警察に相談してください。

 ・代理人がお金を自宅に受け取りに来ると言ってきたら、必ず警察に通報し、警察官に待機してもらいましょう。犯人を逮捕できるかも知れません。


その振り込み、
ちょっと待って!

 おれおれ詐欺などの共通の手口は、いずれの場合も、指定した銀行口座などに、お金の振り込みを要求してきたり、代理人と称する人物がお金を受け取りに自宅まで来ます。

 時には、自宅でなく、銀行でお金を引き出す場所まで来て直接受け取ろうとすることもあります。

 大事なことは、たとえ大事な息子さんやお孫さんからの電話であっても、本当にそれが確認されるまでは、絶対に衝動的にお金を振り込んだり、引き出したりしてはいけません。

 一旦、電話を切って、こちらから息子さんなどの、元々の電話番号に掛け直して確認します。たとえ、相手が、電話番号が変わったといった場合でも、必ず元の電話番号に掛けて確認します。

〔要点〕
 ・先ず、警察に通報する。

 ・すぐには振り込まない。

 ・一人で振り込まない。

家族で日頃から相談

 このような犯罪の被害者とならないよう、日頃から家族でよく話し合っておきましょう。

 特に、家族が遠方に住んでいる場合などではとても大切なことです。

 不審な電話を受けて、お金の振込みを要求された場合、振込みをする前に、それが事実かどうか確認することは絶対に必要なのです。

家族との約束
家族の連絡先

 家族の連絡先電話番号は、必ず自宅電話の目の前に貼りだしておきましょう。自宅の固定電話だけでなく、携帯電話の番号は必要です。 本人と連絡が取れないときは、息子さんであれば、その奥さんや同居の家族の電話番号も必要です。 また、特別に中のよい友達がいるなら、その方の番号も書いておきます。

家族の連絡先

 家族の連絡先電話番号は、必ず自宅電話の目の前に貼りだしておきましょう。自宅の固定電話だけでなく、携帯電話の番号も必要です。

 本人と連絡が取れないときは、息子さんであれば、その奥さんや同居の家族の電話番号も必要です。

 また、特別に中のよい友達がいるなら、その方の番号も書いておきます。

連絡が付かないとき

 お金の振り込み要求があって、しかも本人との連絡が取れないときは、すぐに振り込む のではなく、先ず、警察に通報しましょう。

 警察への通報が絶対に必要です。誰かがお金を取りに来ても、絶対に渡してはいけません。

ご両親・身内を守る

 別居しているご両親や身内の方が「振り込め詐欺」に騙されないようにするために、家族での話し合いをしておきましょう。いざというときの「合言葉」を決めておくのもいい方法です。

 合言葉は、家族だけが知っている事実だけを基本に決めます。詐欺をしてくる相手は、ひょっとしたら、こちらの情報をかなり詳しく持っているかも知れません。たとえば、家族の誕生日、結婚記念日、ペットの名前などは、知られている可能性があるので、それを合言葉にすることはできません。

 犯人たちは、合言葉を聞くと「慌てて忘れちゃった」とか「今、そんなどころじゃない」などと言って、合言葉を言おうとしないで、お金が必要だということだけを強調するはずです。

 もし、相手が合言葉を言えなかった場合、十中八九「おれおれ詐欺」あるいは「振り込め詐欺」だと思っていいです。電話を切り、家族に連絡して確認しましょう。

留守番電話の活用

 留守番電話というのがあり、多くのご家庭で使われています。これを活用するのはとても有効です。

 留守番電話を常時セットしておき、電話が掛かってきてもとりあえず留守番電話で受信します。

 もしも、振り込め詐欺であれば、相手は留守番電話では埒が明かないので直ぐに電話を切ってしまう筈です。

 留守番電話に次のようなメッセージを入れておけば、おれおれ詐欺は撤退するでしょう。「振り込め詐欺対策として、お名前を確認させていただいております。不審な電話はすぐに警察に通報します」

 お友達や親戚などの方は、留守番電話にはちょっと不快感を持つかもしれませんが、あらかじめ防犯対策でそうしていると説明しておくといいでしょう。

 尚、一人暮らしの方は、電話にでて、直ぐ名前を名乗るのは危険です。名前は相手が名乗って安全だと分かってから言いましょう。

ナンバーディスプレイ電話の活用

 NTTサービスに「ナンバーディスプレイサービス」というのがあります。

 これは、電話を掛けてきた相手の電話番号が表示されるシステムです。

 電話番号を見て、普段掛かってこない番号だったら、受話器を取るのをやめるか、受話器をとる場合には不審な電話かも知れないという警戒心を持ちましょう。

 中には「番号非通知」といって、ナンバーディスプレイ電話に番号が出ないようにしてかけてくる人もいますが、これがもしお友達や家族なら、あらかじめ事情を説明して番号通知に変えてもらいましょう。

 (注:番号ディスプレイサービスは、NTTでのサービスで、確か月額400円くらいだと思います。ナンバーディスプレイシステムに対応している受話器があれば、116番に電話すれば確認し加入することができます。)