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気になる言葉

ドメイン



 ドメインという言葉は、元々は「領域」を意味する言葉ですが、最近ではインターネット用語としての「ドメイン」を意味することが多くなっている言葉です。

 一般にドメイン名とは、インターネットにおいて個々のコンピュータを識別するための名称の一部を占める言葉です。

 アイキャン(ICANN)と呼ばれる、民間の非営利法人により全世界的に管理され、世界中で絶対に重複しないようになっています。


 ドメインは、通常、IPアドレスとセットでコンピュータネットワーク上に登録されます。

 このドメイン名は、従来アメリカ主導であり、英文字しか認められてこなかったのですが、英文字以外の言葉でも設定できるようになり日本語ドメインなども使えるようになっています。(実感としてはまったく普及していない感じですが。)
 これに関して、2009年11月6日の読売新聞に記事が掲載されていましたので、その全文をご紹介します。


ドメインの仕組み 〔ドメインの仕組み〕の説明。
ドメインの仕組み  ドメインはインターネット上に存在する全てのコンピュータやネットワークを識別管理するための名称の一種であり、端的に言えばインターネット上の住所のようなものです。

 ドメイン名は、全世界で唯一であり、絶対に重複しないように発行され管理されています。

 通常、ドメイン名は英文字、数字、一部の記号などの組み合わせで構成されますが、近年、日本語を含む各国独自の言語や文字により登録できる国際化ドメイン名を使用できるようになりました。

IPアドレス  ネット上のコンピュータはIPアドレスと呼ばれる数字の羅列された識別番号を持ち、これにより互いを識別し、通信を行っています。

 しかし、この数字の羅列は人間にとっては難解で取り扱いが非常に困難なため、別名としてドメイン名が使われます。

 ドメイン名とIPアドレスを対応させるシステムは「DNS」と呼ばれ、全世界のDNSサーバーが連携して運用されています。ひとつのIPアドレスに複数のドメインを対応させたり、逆にひとつのドメインに複数のIPアドレスを対応することもあります。

 DNSにより、あるドメイン名からそれに対応するIPアドレスを探し出すことを「名前解決」と呼び、全世界的にそれを行うための巨大なネームサーバーシステムがあります。このサーバーは全世界で13台配置されていて、その一つは東京に存在しています。

ドメインの構成  ドメイン名は、現実世界でいえば、住所のような存在であり、階層構造をしています。ドメインには「トップレベル」「セカンドレベル」「サードレベル」などがあり、各レベルは「.(ドット)」により識別されます

 トップレベルのドメインは、一番右に存在し、以下、左に向かってセカンドレベル、サードレベル、・・・と区分されていきます。

 ドメインの一例として、当サイトのドメイン名は、

  kotoba.merrymall.net

 となっていますが、ここで、「net」がトップレベル、「merrymall」がセカンドレベル、「kotoba」がサードレベルとなります。

 トップレベルで有名なドメイン名には「com」「jp」「net」など多くのものがあります。

各レベルのドメインの特徴
トップレベルドメイン  トップレベルドメインは、国ごと、あるいは国や地域とは関係なく別の基準で割り当てられますが、ドメイン名の衝突を回避するため、ドメイン名管理はICANNと呼ばれる組織が一元管理しています。

 現実には、ICANNから委任された、各国の機関が割り当て業務を担当します。日本では、JPNICという組織があり、「.jp」ドメインの管理を行っています。

 トップレベルドメインの例は、「.com」「.net」「.jp」などです。

セカンドレベルドメイン  セカンドレベルドメイン(SLD:Second level domain)は、トップレベルドメイン以下に属しているドメイン名をいいます。

 例えば、フリー百科事典(ウィキペディア)「wikipedia.org」の場合であれば、「wikipedia」は「.org」というトップレベルドメインに属しているセカンドレベルドメイン名となっています。

サードレベルドメイン  右から数えて、三つ目の識別に使用されるドメイン名がサードレベルドメインと呼ばれます。例えば、「NHKオンライン」というサイトの場合では、「www.nhk.or.jp/」というドメイン名が使われていますが、「.nhk」の部分がサードレベルドメインとなります。


ドメインの管理ルール  ドメイン名は、世界中の様々な国、機関により管理されていますが、以下のような共通ルールを持っています。

ドメインの管理ルール
ICANNによる管理  全てのドメイン名は、「ICANN」の管理下に置かれます。トップドメイン(ルートドメイン)は、ICANNの承認をうけなければ追加はできないし、既に存在するルートドメインの管理もICANNの認めた者にだけ許されます。

先願主義  ドメイン名の取得は、先願主義により行われます。一番最初に申請し、所定の手続きにより登録された者に与えられます。

権利期間  ドメイン名は、登録から最低1年間使用することができます。一部、2年使用できるものもあります。

 期限前に更新手続きを行うことで、期間を延長することができます。複数年の更新手続きも可能ですが、最大10年を超えない範囲となっています。

whois情報の公開  ドメイン名を登録したものは、かならず「whois情報」を公開しなくてはなりません。これは英語の「who is」から来た言葉で、そのドメインの取得者の次のような情報を公開することを義務付けられています。これらの情報は「whois」というデータベースに登録されます。

 虚偽の情報を登録したことがレジストリやレジストラに発見されると、有効期限内でも使用停止(凍結)や登録抹消され、ドメイン名を使用する権利を失う恐れがあります。

ドメインの whois 情報
登録者
技術担当者
支払担当者
登録年月日
有効期限
ネームサーバー

商標権者優先  ドメイン名は先願主義ではあるものの、企業名やブランド名、商標名などが不当に登録された場合、それらを有する企業などから異議申し立てをして、現在登録者の権利を剥奪し、商標権を持つ者にドメイン名の権利が変更されます。

 この制度により、商標権者に対しドメインを売りつける行為は基本的に不可能になりました。

 しかし、有望なドメイン名を事前に取得し、その権利を販売しようとする業者が存在することも事実です。たとえば、私の所有する基本のドメイン名は、〔www.merrymall.net〕ですが、私に対して〔www.merrymall.com〕というドメイン名を売りつけようとする業者が存在します。呆れたというか、困ったものです。

所有権  ドメイン名を取得しても、それは所有権ではなく、「一定期間、独占的にそのドメイン名の使用を認められたもの」という意味になります。





転載記事内容 〔ドメイン〕についての有用な記事を転載します。

転載元


読売新聞 2009年11月6日


記事名称


 「.日本」ドメイン可能に

国際化の流れ加速

記事本文
変わるインターネット  「インターネットは誰のものでどう管理すべきか」

 今回のルール変更は、長く続いたそんな議論の末に合意したものだ。書き換えられたのは二つの取り決め。どちらも、ドメイン名と呼ばれるネットの「住所」の管理にかかわっている。

 ドメイン名の管理は米カリフォルニアに本拠を置く民間団体が担っている。ICANNと呼ばれる、この組織は各国政府や業界、利用者の代表で構成される。ただし手綱を握ってきたのは米商務省。ICANNは議論の結果を報告し、お墨付きを得る必要があった。

 また、ドメイン名の根幹部分で使える文字は英語に限られていた。例えば、日本を示す国名のドメインは「.jp」とアルファベツトで表示される。

 ネツトは米国の軍や大学で生まれ、多くの人々が自由な発想で育ててきた。その歴史を考えれば、米国がお目付け役を務め、英語が事実上の公用語になるのは自然の成り行きだった。

 しかし、今回のルール変更で「米国」と「英語」の地位や役割は変わった。


 まず、先月1日から来国はICANNの管理権限を手放した。重要な委員会の常任ポストを確保するなど影響力は持ち続けるが、ICANNは形の上では独立した団体になった。

 さらに、先月下旬にソウルで開かれたICANNの会合で、国別ドメインについて日本語や中国語、アラビア語など英語以外も認めることが正式に決まった。

 「.日本」というドメイン名も来年には使えるようになりそうだ。「.com」「.org」など分野別ドメイン名も多言語化を認める方向で協議が続いている。

 ICANNを率いるロッド・ベックストロム氏は今回のルール変更について「ネットの国際化に向けた歴史的な動き」と話す。

 こうした動きの背景にはネットの重要性の高まりと利用者の広がりがある。

 世界のネット利用者はこの10年で3倍以上に増えた。現在の利用者は世界の人口の4人に1人に当たる約16億7000万人。英語を母語にする人はもう3割を切った。

 にもかかわらず米国がネット管理を牛耳ってきたことには、多くの国が異議を唱えてきた。欧州は先進国による共同管理を訴え、中国やブラジルは全員参加の国連方式を求めた。英語が幅を利かせることに対しては中東諸国や中国、韓国が不満を示していた。対立の構図は来国の一極支配に多くの国が反発した国際政治の動きとよく似ている。

 米議会には管理権限を手放すことへの反対論があった。一部の保守系論客は「米国はネットを捨てるのか」と批判した。

 それでも米政府が譲歩したのは「ネットの国際化は時代の流れ」という認識があったからだ。ベックストロム氏によると、米国が特権にこだわれば、ICANNを離脱し、独自のネットを作る国が現れかねないという危機感もあったという。そうなれば、経済的にも米国に利益をもたらしてきた世界共通のネットの枠組みは崩壊してしまう。

 再び国際政治との比較で言えば、オバマ政権はネット管理の問題でも国際協調の路線を選択し、「インターネットはみんなのもの」という原則を受け入れたことになる。具体的な運用では様々な利害対立が予想されるが、一連の改革はネットの国際化と多様化に拍車をかけていきそうだ。