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〔ナルコレプシー〕 |
ナルコレプシーは、日中に場所や状況にかかわりなく、眠り込んでしまう病気で、「居眠り病」「過眠症」ともいわれる精神疾患(睡眠障害)です。 |
この場合、身体の力は抜けてしまうが、意識的には正常で周囲の状況は理解できています。 |
〔ナルコレプシーとは?〕 ナルコレプシーの患者には、典型的症状として、寝入りばなや起床時に鮮明な怖い夢を見たり、金縛り、幻覚、幻聴を経験する人が多いです。金縛りとは、夢の中で逃げようとしても身体が動かせない、叫ぼうとしても声が出せないなどの状態になることをいいます。 夢を見ることも多く、何か恐ろしいもの、幽霊とか自分の想像上の先祖とかが、身体に覆いかぶさってきたりするような、不気味で怖い夢を見たりしますが、見た夢はとても鮮明に記憶していることが特徴です。夢を見始めるとき、一瞬、意識がはたらき、「あっ、またあの夢だ!」という風に自分でこれから見る夢を予感してしまうことが起こります。 夢を見、必死になって金縛りと戦っていると、突然、金縛りが解け、声が出せるようになる瞬間がきます。 大きな声で「貴様、一体何なんだ!」などと叫び、覆いかぶさるものを振り払おうと拳骨の腕を振り下ろします。その瞬間、たったいままで、あれほど鮮明に見えていたあの不気味なものが一瞬にしてパッと消え失せます。意識が戻ったのです。 しかし、その夢の一部始終は鮮明に記憶しているために、それからの数日間は夜間に眠ることに大きな恐怖心と不安とを抱くようになるのです。 ナルコレプシーには、次のようなよく知られた症状があります。なお、これらの症状は、すべてが同時に全部発症するわけではなく時間をおいて発症するのが普通です。
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〔ナルコレプシーの原因〕 ナルコレプシーの病因としてオレキシンという物質の欠乏が明らかになっています。オレキシンは、脳の視床下部から分泌される神経伝達物質で、通常は食欲をコントロールする作用があります。 また、ナルコレプシーになりやすい遺伝的体質と、ストレスなどの環境因子が重なって起こるとも考えられます。大部分は特別のきっかけは分かりません。頭部外傷、手術、大出血、睡眠不足などの大きな身体的ストレスを経験した直後に発症することがあります。 |
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〔ナルコレプシーの診断〕 病院で行われる睡眠障害の検査には次のようなものがあります。
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〔ナルコレプシーの治療〕 現状では、ナルコレプシーの根治的治療方法はなく、対症療法となります。治療には、薬物療法と、生活習慣を改善する療法が重要です。 薬物療法では、夜の眠りを安定させ、更に精神賦活剤の朝昼時服用で、日中の居眠りを防止できるようになり、社会生活は普通にできるようになります。症状が安定してくれば薬の量も減らせるようになります。 |