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ノドン



 ノドンは北朝鮮が開発し配備している中距離弾道ミサイルです。

 ノドンの名称は、このミサイルが確認された、北朝鮮の地名にちなんで、アメリカが名づけた、このミサイルのコードネームです。

 北朝鮮では、このミサイルを「木星」または「火星7号」と呼称しているとの説があります。


 ノドンは、ロシアのスカッドミサイルを改良して完成した、1段式の弾道ミサイルであり、燃料は液体式、ペイロード(ミサイルの最大搭載能力)は、1.0~1.2トンとされ、それだけの重量の核弾頭、あるいは化学弾頭を搭載できる。

 射程距離は、1,000~1,300キロメートルといわれ、日本全域をほぼ射程に収める。また、ノドンの半数命中確率(CEP)は700~800mとされる。

 北朝鮮から韓国を標的とするのであれば、従来のスカッドミサイルで十分であることを考慮すれば、ノドンの攻撃目標は明らかに、日本全土と、在日米軍基地を標的として開発されたものであることに疑いの余地はない。

 ノドン発射装置は、旧ソ連の MAZ 543P というミサイル発射車両を国産化した、移動可能なミサイル発射車両である。

 2003年7月時点で、北朝鮮が日本向けに配備したノドンの数は約200基とされ、山岳地域の地下に建設された秘密地下ミサイル発射基地で、秘密裏に発射待機していると推測される。

 ノドンのCEPはそれほど狭くなく、精度が高くないため、通常弾頭を搭載したノドンであれば、日本国にとっては戦術的にそれほど大きな脅威ではない。

 事実、ドイツが第二次世界大戦において、ロンドン攻撃に使用したV2ロケットは、恐れられはしたが、通常の爆撃機ほどの効果は無かったといわれる。

 また、湾岸戦争時にイラクがイスラエル向けに放った40発のスカッドミサイルでも、数名の死者が出ただけのものであった。

 しかし、北朝鮮の思想的背景を考えると、非常に多数のミサイル、たとえば200発、を同時に発射する可能性もある。こうなると、全国各地に多数のミサイルが着弾する事態となり、大きな被害がでることになる。着弾地点の周辺で半径数百メートルの範囲に被害が及ぶと推定される。

 北朝鮮は、既に多数の核弾頭を保有していることは明らかな現実的である。ノドンが通常弾頭ではなく、核弾頭や化学弾頭など、大量破壊兵器を搭載するとなれば、事態は極めて深刻な脅威となる。
 現在、日本、米国などの軍事衛星は宇宙を巡回し常時監視を続けているので、ミサイルの固定発射基地の存在は解析済みであるが、ノドンは移動可能な発射車両から発射されるため、ミサイル発射前にその兆候、発射位置などをすべて察知するのは極めて困難である。

 北朝鮮から、ノドンが発射されれば、わずか6~7分後には日本本土へ着弾してしまうのだ。では、どうすればよいのか、日本が取るべき戦略はそう多くはない。

 一つは迎撃ミサイルを配備し、敵ミサイルを迎え撃つことである。もう一つは、最終的手段となるが、日本を標的にした、ミサイルの発射準備が整いつつあるとの兆候を発見した場合、全てのミサイル基地に対して、先制攻撃を行い、事前に敵基地を壊滅させることである。

 現在、日本国は、迎撃ミサイルとして、パトリオットミサイル(PAC-3)とスタンダードミサイル(SM-3)の配備を決定済みである。SM-3は逐次改良され、最新のモデルでは、実験段階としてノドン級弾頭の迎撃に成功している。

 また、パトリオットミサイルはイラク戦争時に成功したように見えるが、迎撃成功率は必ずしも高くはない。恐らく敵ミサイルに対して2倍の数は発射しなければ迎撃は成功しないだろう。

 北朝鮮が、日本の首都圏に向けて、200発、あるいはそれ以上のノドンを同時に発射した場合、現実的な迎撃は不可能となる。その中に核弾頭が5発、含まれていたなら、少なくとも2~3発は命中し、首都圏での死者数は数十~数百万人となってしまうかも知れない。

 ここで一つ、2002年5月16日に、日本国が行った重大な決断をし、内閣法制局は、次のような憲法判断を行ったのである。

 「ある国が日本を攻撃する為に、予備役の招集、軍人の無許可移動の禁止、非常呼集を行う等の兆候が見られ、日本を攻撃する為と推定される軍事施設の新たな構築を行う、等が認められた場合、『武力攻撃が予測される事態』とみなし、これをもって先制攻撃を行うことは許容される」

 これに伴い、2006年3月27日、北朝鮮からのミサイル攻撃に対処するための自衛隊法の一部改正が施工され、自衛隊法に第82条の2「弾道ミサイル等に対する破壊措置」が追加された。