アメリカの著名な証券会社に勤務していた、インド人女性ルーパ・プルショサーマンさんという女性がいます。
彼女は2003年10月に投資家向けに面白い報告書を提出しました。
その報告書のタイトルは、「BRICs(ブリックス)とともに見る2050年への道」というものでした。
BRICsという言葉は、この中で初めて使われた言葉です。
BRICsとは、近年経済発展の顕著なBrazil(ブラジル)、Russia(ロシア)、India(インド)、China(中国)の頭文字を意味しています。最後の文字「s」は英語の複数形を意味しています。
最近、この BRICs の変形として、BRICS としてS=South Africa(南アフリカ)を加えた場合とか、BRIICs としてI=Indonesia(インドネシア)を加えた場合などが使われることもあります。
この BRICs という言葉は、このような変形型も含めて、経済解説記事などに頻繁に登場するようになりました。
最近のBRICsの状況としては、人口増加、資本増加、労働生産性の向上などにより、著しい経済成長を遂げつつあります。
今後は更に資本を蓄積し、技術革新を進めると見られており、今や急速に先進国の仲間入りを果たしつつあります。やがてこれらの国々が世界を指導する立場になる可能性があるのです。
ルーパさんの予測では、BRICsの国々は現時点では世界のGDPの8%しか占めておりませんが、2039年には経済大国G7(アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)の合計を突破するとしています。
そして、2050年にはGDPのランキングは、中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順になるだろうと予想されています。
現実に、2014年には、中国がGDPランキングでアメリカに続いて世界第二位になり、日本は第三位となっています。
超大国アメリカだけの一極支配の時代が終わり、多極化の時代が始まるだろうというのです。この段階になっても、日本が経済大国の中に残れるのかどうか興味のあるところです。
|