競技に使用する車両には、レーシングカーのエンジン・シャーシー・タイヤなど、あらゆる部分に技術的な規定(テクニカルレギュレーション)が定められていて、違反する車は出場できないことを意味している。
レース中においても、走行マナーなどに厳しい規定(スポーティングレギュレーション)があり、違反があれば相応のペナルティが課せられる。
レース中に止まってしまい、エンジンの交換を行うと10グリッド降格のペナルティ、予選で多車を妨害するような行為があれば、5グリット降格のペナルティなどが課せられる。ちなみに、グリッドとはスタート時のポジション、整列順のことである。
最初のF1は、1950年にイギリスのシルバーストン・サーキットで始まった。ヨーロッパを中心に全世界で毎年15~19回ほど開催され、日本では三重県の鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、岡山国際サーキットなどで行われた。
レースは、たとえば「日本GP(グランプリ)」とか、「ヨーロッパGP」「ルーマニアGP」などのように「開催地+GP」という呼称される。シーズンごとのF1レースは、1国1開催の原則があるが、いろいろな事情で同一国で複数回開催されることも多い。
グランプリでのタイム測定は、マシンに搭載された無線装置で「千分の一秒」単位で計測され競われる。まれなことではあるが、1/1000秒まで同一タイムというケースも発生することがあり、いかに激しいレースであるかが分かる。
各レース毎に順位により与えられる「チャンピオンシップ・ポイント」の総得点によって、年度のチャンピオンが決定される。
獲得ポイントの最も多い選手には「ドライバーズ・ワールド・チャンピオン」の称号が与えられる。車体製造者には2台までのポイントが与えられ「コンストラクターズ・ワールド・チャンピオン」となる。
このレースは、全世界で述べ50億人近くの人がテレビ観戦するといわれる。将に「走る広告塔」といわれるほどの宣伝効果があることから、世界の大手自動車メーカーが社運をかけて参入している。
世界規模での激しい自動車市場競争に打ち勝つためには、このレースで勝たなくてはならないのだ。自動車メーカーのブランド力強化や販売促進に繋がる絶好の機会なのである。
レースでは、年間を通してドライバーとコンストラクター(製造者部門)のチャンピオンが争われる。自動車メーカーにとって、このレースで製造者部門のチャンピオンになることは、特に、モータースポーツが盛んなヨーロッパにおける企業の存在感を高める効果がある。
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