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〔H2Aロケット〕


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宇宙は今や軍事利用だけでなく、商業利用の時代に突入しました。

 先進各国は、通信用や放送用の商業衛星、公的研究機関の科学衛星、気象衛星などを次々と打ち上げています。

 衛星打ち上げビジネスの国際競争は激化の様相を呈してきました。


 このような状態の中で、日本がロケット開発に取り組んでから50年以上が経過しました。

 最近までは「宇宙開発事業団」「宇宙科学研究所」および「航空宇宙技術研究所」という3つもの組織があったが、これらの組織を統合して、2003年10月には、日本で唯一の宇宙開発機構「JAXA:宇宙航空研究開発機構」が誕生しました。

 JAXAの前身母体も含めて開発されてきた日本のロケットで、現在の主力ロケットはH2A型である。


 H2A型ロケットという名称はマスコミなどでの俗称であり、正式には「HⅡA(エイチ・ツー・エイ)型ロケット」と呼ばれます。



世界のロケット開発 〔世界のロケット開発〕情報の説明。
世界のロケット需要

 世界市場におけるロケット打ち上げの需要は、年間30基程度の数量です。

 これに対して、各国が次のようなロケットが打ち上げ受注獲得に凌ぎを削っている過酷な現実があります。

 ・アメリカ:スペースシャトル用ロケットエンジン
 ・ヨーロッパ:アリアンロケット
 ・ロシア:プロトンKロケット
 ・中国:長征ロケット

 この激しい受注獲得合戦に、今後はH2Aロケットも割って入ろうとして鋭意開発し、実績を積み上げています。最近では打ち上げ回数も増加し信頼性が格段に高くなりました。

 人工衛星打ち上げの受注確保は、打ち上げの信頼性とコストが勝負の世界となっています。H2Aロケットが世界の他のロケットと伍していくためには、打ち上げ回数をまだまだ増やし、信頼性を実績で示すとともにコストの低減も図る必要となります。


日本のロケット開発 〔日本のロケット開発〕の説明。
日本のロケット開発
H2A発射風景

 JAXAの前身時代、2001年8月にH2Aロケットの1号機が打ち上げられました。

 それ以降、JAXAのロケットは、次々と打ち上げに成功してきたものの、6号機だけは打ち上げに失敗しています。

(写真は三菱重工:H2Aロケット13号機による「かぐや」打ち上げ 特設サイトより転載)
H2A構造図

 しかし、失敗の原因を突き止め改良して、それ以降も打ち上げは継続されました。H2A型ロケットの打ち上げにそれなりの実績ができたこともあり、2007年度より、このロケットの打ち上げは、民間企業である三菱重工へ移管されることとなりました。

 これにより、2007年9月に打ち上げられたH2A13号機(かぐや)は、三菱重工の手で成功裏に行われ、以来、JAXAは将来の更に高性能なロケットの開発に専念してきました。

 かくして、H2A型ロケットは、2001年夏の1号機が打ち上げられて以来、2017年10月までに29回の打ち上げを成功裏に行いました。失敗したのは6号機の1基だけで、現在までの成功率は97%となり、世界のトップレベルに到達しています。

 また、現在のH2Aロケットの打ち上げ費用は、93~120億円です。これにより3.8~5.8トンの人工衛星を、静止トランスファー軌道へ打ち上げる能力を有するようになりました。

 H2Aロケットの開発費は1200億円であるが、そのベースになったH2型ロケットの開発費2700億円と合わせると、合計では3900億円の開発費が掛かっています。

 大きなコストが掛かっているのは事実ですが、ヨーロッパの主力ロケット「アリアン5型」の開発費が1兆500億円であることを考えれば、H2Aロケットの開発効率は非常によかったともいえます。