X線は波長が約100~0.1オングストローム程度の電磁波でです。これは放射線の一種で、その波長領域はガンマー線(γ線)と接している。X線は紫外線よりも波長が短く、可視光の約10万分の1の波長をもつ電磁波で、目には見えず、かつ透過力が極めて大きい特徴があります。
X線は宇宙からも降り注いでいるが、波長が短いためオゾン層で大部分は吸収されてしまい、地表にはほとんど届きません。宇宙でX線を出しているのはエネルギーの高い天体で、ブラックホールや超新星残骸、活動銀河核などです。
X線の応用としては、医療分野での胸部などのX線写真、CT検査や材料の非破壊内部探傷検査、物性物理分野での結晶構造解析(X線回折)などがあります。
X線の種類は、そのエネルギーレベル(波長の大小)によって次の様に分類されています。
超軟X線 (Ultrasoft X-ray)
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約数10eVのエネルギーが非常に低く紫外線に近いX線。X線としては波長が特に長い領域の電磁波である。
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軟X線 (Soft X-ray)
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約0.1~2keVのエネルギーが低くて透過性の弱いX線。軟X線は、比較的波長が長く、透過性が弱いX線である。軟X線を使うと、魚やほおずきなどの繊細な透過像を得ることができます。
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X線 (X-ray)
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約2~20keVのエネルギーを持つ典型的なX線。 (一部を軟X線に入れたり硬X線に入れて分類する場合もある)
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硬X線 (Hard X-ray)
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約20~100keVのエネルギーが高くて透過性の強いX線。波としての性質より粒子としての性質を強く示すようになります。
更に高いエネルギーを持つ電磁波は、ガンマー線でX線よりももっと強力に物質を透過するようになります。
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