DVDの形状として、フロッピーディスクのようにジャケットに入った形で提供されるものもありますが、これは極めてマイナーな存在です。 |
これまで映画などの長時間映像はビデオテープに記録されていたが、DVDの出現により映像記録の主要メディアは急速にDVDに移行しつつある。 |
◆DVD規格誕生の経緯。 |
DVD規格誕生経緯 |
1990年代初頭、フィリップス・ソニー陣営では、CDよりも高密度記録が可能な光ディスク媒体として、MMCD(MultiMedia Compact Disc)と呼ばれる規格を開発していた。 一方で、東芝・タイム・ワーナー・松下電器・日立・パイオニア・トムソン・日本ビクター陣営では、SD(Super Density Disc)と呼ばれる新技術を開発中であった。 このままでは、1980年代の「VHS対ベータ戦争」の再来は必定と見られたことから、IBMのルー・ガースナーの肝いりで、二つの規格が統合されることとなり、ビデオテープ開発時のような混乱は回避されたかに見えた。 しかし、この統一規格案は、将来のDVDのユーザーとなる家電メーカーや映画会社からの多くの要求に遭遇することとなり、多くの派生規格を招くこととなってしまったのである。 各社はそれぞれの特許や技術の一部を諦めたり譲ったりして、何はともあれ、1995年にDVD規格(Version 1.0)が発表された。 |
◆DVDの重要な利用用途。 |
デジタルビデオ記録 |
もともとDVDは、デジタルビデオ映像を録画する用途として、CDの記録容量を超えることを目指して開発され、「デジタルビデオ記録用DVD」とよばれる。ここでも多くの記録フォーマットが派生・乱立していて、混乱している。 |
デジタルデータ記録 |
コンピュータで扱うデータの保存やバックアップなどに使われる補助記憶メディアが「デジタルデータ記録用DVD」であり、DVDが「Digital Versatile Disk」と呼ばれる理由ともなっている。 |
◆物理フォーマットの違いによる分類。 |
DVD-ROM |
DVD-ROM は、DVDフォーラムによって標準化されている規格で、DVDにコンピュータ用の読み取りファイルを記録したものです。現在では、パソコンやゲーム機のデータ配布用媒体として標準使用されている。 |
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二層方式 |
二層方式のDVDでは、従来のDVDを片面二層にすることで、より高密度・大容量のデータ記録を実現している。容量的には12センチディスクで片面8.5GBある。 |
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書き込み可能型(DVDフォーラムが制定した正式規格) |
DVDフォーラムが正式規格として制定した書き込み可能型DVDには、「追記型」と「繰り返し記録型」の二つがある。それぞれの規格は更に細分され、追記型には「DVD-R型」と「DVD-R DL型」があり、繰り返し記録型には「DVD-RW型」と「DVD-RAM型」とがある。しかも、両者のメディアともに、「データ記録用(for DATA)」と「ビデオ録画用(for VIDEO)」という区分があり、通常のDVDレコーダーで記録可能なのはビデオ録画用のみである。
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書き込み可能型(DVD+RWアライアンスが制定した別規格) |
DVD+RWアライアンスが別規格として制定したDVDにも、「追記型」と「繰り返し型」の二つの規格がある。それぞれの規格は更に細分され、追記型には「DVD+R型」と「DVD+R DL」があり、繰り返し記録型には「DVD+RW型」がある。しかも、両者のメディアともに、「データ記録用(for DATA)」と「ビデオ録画用(for VIDEO)」という区分があり、通常のDVDレコーダーで記録可能なのはビデオ録画用のみである。
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◆アプリケーションフォーマットの違いによる分類。 |
DVD-Video |
DVD-Video は、DVDに複数の映像、音声、字幕を記録するフォーマットです。複製防止技術としてContent Scramble System(CSS)という暗号化をすることができる。。また、世界をいくつかの地域に分け、リージョンコードと呼ばれる「地域コード」を割り当て、地域コードが一致しないDVD-Videoは、他の地域では使用できないようにできる。 |
DVD-VR |
DVD-VR は、DVD Video Recording Formatの略号である。 |
DVD-Audio |
DVD-Audio は、DVDにオーディオデータを収めるための規格である。 |
DVD-AR |
DVD-AR は、DVD Audio Recoding Formatの略号である。現状では、規格として存在するのみで、適応製品としては開発されていない。 |
DVD-SR |
DVD-SR は、DVD Stream Recoding Formatの略号である。 |
DVD+VR |
DVD+VR は、DVD+RW Video Recording Formatの略号である。「DVD+RWアライアンス陣営」が策定したDVD+RW向けのVideo Recodingフォーマットである。 |
◆DVDドライブの種類。 |
DVD-ROM |
CD/DVD-ROM、DVD-Videoの読み出しのみ対応できるドライブで、2001年頃までのドライブに多い。 |
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コンボ |
CD/DVDの読み出しと、CD-R/RWへの書き込みに対応するドライブである。 |
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書き込み可能型 |
書き込み可能型は、DVDの書き込みに対応する規格であるが、さまざまな規格が存在していて、極めて混沌としている。
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◆DVD記録容量の表示方法。 |
DVDの記録容量を表すのに、ここでは「GB(ギガバイト)」という単位を用いて表現している。1GB=10億バイトとして計算した値である。DVDの大きさには、直径12cmと8cmとがあるので、そのそれぞれについて記録容量を示した。 |
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片面一層 |
・4.7GB(12cm)(容量4.9GBのDVDもある) |
片面二層 |
・8.5GB(12cm) |
両面一層 |
・9.4GB(12cm) |
両面二層 |
・17GB(12cm) |
◆DVDの後継技術を目指す覇権競争。 |
覇権競争 |
現行のDVDは信じがたいほど多くの規格が乱立し、ユーザは最後まで混乱状態から抜け出すことはできなかった。 |