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DVD



 DVDは、CDと同様なデジタルデータの記録媒体であり、光ディスクの一種です。

 DVDの物理的な形状はCDと同じく、直径12センチの樹脂製の円盤状をしています。

 DVDには、情報を片面だけに記録する方式と、両面に記録する方式、2層記録などがあり、通常は裸の円盤として提供されます。


 DVDの形状として、フロッピーディスクのようにジャケットに入った形で提供されるものもありますが、これは極めてマイナーな存在です。

 データの記録容量はCDに比べて非常に大きく、片面DVDでもCD7~12枚分の情報を記録できる。また、最大記録容量は、DVD-ROM規格で、片面1層記録なら4.7GB、片面2層記録で8.5GB、両面各1層記録なら9.4GBとなっている。

 このような大容量記録が可能になったことにより、従来のCDでは不可能であった、映画などの長時間記録ができるようになった。こらまで映画などの長時間映像はビデオテープに記録されていたが、DVDの出現により映像記録の主用メディアは急速にDVDに移行しつつある。

 データの読み取りの基本原理はCDとほぼ同じで、ディスクの表面に赤色レーザー光線を照射し、その反射光を検出して行う。

 しかし、DVDの記録方式には非常に多くの規格があり、実際の読み出し方式も記録方式ごとに異なるため、ユーザの混乱の元となっている。

 DVDの記録や読み出しの違いは、DVDの物理的構造の違いと、記録する情報の記録方式(論理フォーマット)の違いとがあり、気が遠くなるほどの多くの組み合わせ的分類が乱立している。

 このページでは、「DVD開発の経緯」「利用用途」「物理フォーマットの違いによる分類」「アプリケーションフォーマットの違いによる分類」「ドライブの種類」「記録容量」「DVDの後継技術〕について概説しています。

 昔の話になるが、ビデオテープが二つの陣営で延々と戦いを繰り広げ、技術決着のつくまでの間、ユーザーが多大な迷惑を受けたことがある。

 DVDにおいてもいわゆる〔BD規格(Blu-ray Dise)〕と〔HD DVD規格〕とが熾烈な戦いを繰り広げ、ビデオ戦争の悪夢が再現するかと心配されたが、2008年に〔HD DVD規格〕を先導していた東芝が戦線を離脱したことで、この争いは終結し、次世代DVDはいわゆるブルーレイ規格に統一されたのだった。

 現在では、一般ユーザーはDVD再生機種の関係で、昔ながらのDVDや、最新のブルーレイDVDを使用するようになっている。


DVD開発の経緯 DVD規格誕生の経緯。
DVD規格誕生経緯  1990年代初頭、フィリップス・ソニー陣営では、CDよりも高密度記録が可能な光ディスク媒体として、MMCD(MultiMedia Compact Disc)と呼ばれる規格を開発していた。

 一方で、東芝・タイム・ワーナー・松下電器・日立・パイオニア・トムソン・日本ビクター陣営では、SD(Super Density Disc)と呼ばれる新技術を開発中であった。

 このままでは、1980年代の「VHS対ベータ戦争」の再来は必定と見られたことから、IBMのルー・ガースナーの肝いりで、二つの規格が統合されることとなり、ビデオテープ開発時のような混乱は回避されたかに見えた。

 しかし、この統一規格案は、将来のDVDのユーザーとなる家電メーカーや映画会社からの多くの要求に遭遇することとなり、多くの派生規格を招くこととなってしまったのである。

 各社はそれぞれの特許や技術の一部を諦めたり譲ったりして、何はともあれ、1995年にDVD規格(Version 1.0)が発表された。




DVDの利用用途 DVDの重要な利用用途。
デジタルビデオ記録  もともとDVDは、デジタルビデオ映像を録画する用途として、CDの記録容量を超えることを目指して開発され、「デジタルビデオ記録用DVD」とよばれる。ここでも多くの記録フォーマットが派生・乱立していて、混乱している。

デジタルデータ記録  コンピュータで扱うデータの保存やバックアップなどに使われる補助記憶メディアが「デジタルデータ記録用DVD」であり、DVDが「Digital Versatile Disk」と呼ばれる理由ともなっている。


DVD物理フォーマット 物理フォーマットの違いによる分類。
DVD-ROM  DVD-ROM は、DVDフォーラムによって標準化されている規格で、DVDにコンピュータ用の読み取りファイルを記録したものです。現在では、パソコンやゲーム機のデータ配布用媒体として標準使用されている。

 この規格を採用しているゲーム機には、プレイステーション2や Xbox があります。パソコンではアップルやウィンドウズがサポートしている。

 市販されているDVDビデオソフトは、物理フォーマットとして DVD-ROM を使用したディスクに、DVD-Video フォ-マットで映像データを記録している。

 これらの DVD-ROM の製造法は、最初にスタンパーと呼ばれる、データ記録面に読み取り用のピットを埋め込んだマスター原盤を作成しておきます。販売する製品の製造はその原盤を用いてプレスという物理的な方法で行う。

 従って、DVD-ROM はあくまでも再生専用・読み取り専用であり書き込みはできませんが、経年変化などを非常に受け難く安定した性能が維持できる特徴があります。ゲームやDVDビデオソフトなどの用途に最適とされている。

二層方式  二層方式のDVDでは、従来のDVDを片面二層にすることで、より高密度・大容量のデータ記録を実現している。容量的には12センチディスクで片面8.5GBある。

 現在、このタイプのDVDには、DVD-DL(Dual Layer)方式と、DVD+DL(Double Layer)方式の二つがある。

書き込み可能型(DVDフォーラムが制定した正式規格)  DVDフォーラムが正式規格として制定した書き込み可能型DVDには、「追記型」と「繰り返し記録型」の二つがある。それぞれの規格は更に細分され、追記型には「DVD-R型」と「DVD-R DL型」があり、繰り返し記録型には「DVD-RW型」と「DVD-RAM型」とがある。しかも、両者のメディアともに、「データ記録用(for DATA)」と「ビデオ録画用(for VIDEO)」という区分があり、通常のDVDレコーダーで記録可能なのはビデオ録画用のみである。

追記型DVD:一度だけの書き込みが可能なタイプ
DVD-R  一度だけの書き込みが出来るDVDで、ライトワンス型と呼ばれる。記録マークを形成する記録材料には、有機色素材料を使用し、光による化学変化で記録している。

 多くの規格が乱立する中で、DVD-R 型で記録されたディスクは、一般的な DVD-Video や DVD-ROM ドライブで再生できる可能性が最も高いとされる。

DVD-R DL  DVD-R 型ディスクを発展させたもので片面2層記録が可能である。三菱化学メディアより製品が出ているが、それほど普及しては居ない。


繰り返し記録型DVD:繰り返し記録できるタイプ
DVD-RW  DVD-RW 型ディスクは、データ記録は基本的に DVD-R 型と同じ方式である。記録マークを形成する皮膜の記録材料には金属材料を使用し、レーザー光照射による加熱での金属材料の結晶化・非結晶化を利用している。

 結晶化した部位に再度レーザー光を当てると、結晶を溶かし急激な冷却で非結晶化することで、データの消去や再書き込みが可能となる。

 この型のディスクは片面で4.7GBの記録容量があり、書き換え可能回数は1000回以上である。このディスクは Videoモード用にも VRモード用にも使用できるが、両者のフォーマット形式が異なるので、使用する直前に希望するモードでのフォーマットが必要となる面倒がある。

DVD-RAM  DVD-RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory) 型のディスクは、松下電器産業が主体に開発したディスクで、このディスクにも更に細かな分類があり、混乱は避けられない。読み書き可能なフォーマットである。書き込み回数は10万回以上という。

 このディスクは、DVD-ROM / DVD-R / DVD-RW とは、ディスク面への位置情報を書き込み方式や、ディスクの回転制御方式が全く異なるために、他のどのドライブとも互換性は全くない。

 ウィンドウズビスタやマックOSでサポートされているので、今後は普及するかも知れない。


書き込み可能型(DVD+RWアライアンスが制定した別規格)  DVD+RWアライアンスが別規格として制定したDVDにも、「追記型」と「繰り返し型」の二つの規格がある。それぞれの規格は更に細分され、追記型には「DVD+R型」と「DVD+R DL」があり、繰り返し記録型には「DVD+RW型」がある。しかも、両者のメディアともに、「データ記録用(for DATA)」と「ビデオ録画用(for VIDEO)」という区分があり、通常のDVDレコーダーで記録可能なのはビデオ録画用のみである。

 ただし、これらの規格はDVDフォーラムの規格とは別物なので、厳密な意味ではDVDと呼ぶことは出来ず、DVDロゴも付いていないし、正式名称に「DVD」の文字表現も付いていない。

 DVDフォーラム陣営と+RWアライアンス陣営の規格争いは、消費者に混乱を与えているが、現状では軍配はDVDフォーラム側に上がったかに見える。しかし、パソコン用途に限っては、+RWアライアンスの方が使いやすいとの声もある。理由は、ランダムアクセスが可能なことやフォーマット・ファイナライズが不要という点にある。

追記型:一度だけの書き込みが可能なタイプ
DVD+R  DVD+R 型ディスクは、一度だけ書き込み可能なディスクで、記録面材料には有機色素系材料が使用されている。海外では大きなシェアを有するが、日本では普及していない。

DVD+R DL  DVD+R 型を発展させたもので、片面に2層記録が可能となっている。


繰り返し記録型:繰り返し記録できるタイプ
DVD+RW  DVD+RW 型は、DVD-RAM 型に対抗して、「DVD+RWアライアンス」と呼ばれるソニー、フィリップス、ヒューレット・パッカードの3社連合が提唱した規格である。書き込み可能回数は1000回以上ある。

 現在、日本のメーカーで対応しているのは、ソニーだけである。



アプリケーションフォーマットの違い アプリケーションフォーマットの違いによる分類。
DVD-Video  DVD-Video は、DVDに複数の映像、音声、字幕を記録するフォーマットです。複製防止技術としてContent Scramble System(CSS)という暗号化をすることができる。。また、世界をいくつかの地域に分け、リージョンコードと呼ばれる「地域コード」を割り当て、地域コードが一致しないDVD-Videoは、他の地域では使用できないようにできる。

DVD-VR  DVD-VR は、DVD Video Recording Formatの略号である。

DVD-Audio  DVD-Audio は、DVDにオーディオデータを収めるための規格である。

DVD-AR  DVD-AR は、DVD Audio Recoding Formatの略号である。現状では、規格として存在するのみで、適応製品としては開発されていない。

DVD-SR  DVD-SR は、DVD Stream Recoding Formatの略号である。

DVD+VR  DVD+VR は、DVD+RW Video Recording Formatの略号である。「DVD+RWアライアンス陣営」が策定したDVD+RW向けのVideo Recodingフォーマットである。


DVDドライブの種類 DVDドライブの種類。
DVD-ROM  CD/DVD-ROM、DVD-Videoの読み出しのみ対応できるドライブで、2001年頃までのドライブに多い。

コンボ  CD/DVDの読み出しと、CD-R/RWへの書き込みに対応するドライブである。

書き込み可能型  書き込み可能型は、DVDの書き込みに対応する規格であるが、さまざまな規格が存在していて、極めて混沌としている。

書き込み型ドライブの種類
 各規格のディスクは、当初は専用ドライブが必要であったが、現状では複数の規格に対応するドライブが普通になっている。
DVD-R/-RW  DVD-RとDVD-RWに対応したドライブで、初期のドライブに多い。
DVD-R/RAM  DVD-RとDVD-RAMに対応したドライブで、これも初期のドライブに多い。
DVD+R/+RW  DVD+RとDVD+RWに対応したドライブである。海外ではよく使用されるが、日本ではあまり使われない。
DVDマルチ  DVDフォーラムの規格として、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM の全てに対応するドライブの規格である。現在では下記に示す、「DVDスーパーマルチドライブ」や「DVDハイパーマルチドライブ」に世代交代していて、ほとんど使用されない。また、DVD+RWアライアンスの策定したDVD+R/+RW 規格には対応していない。
DVDデュアル  DVD-R、DVD-RW、DVD+RW、DVD+R の4種類に対応するドライブである。
DVDスーパーマルチ  DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+R、DVD+RW の5種類に対応するドライブの規格である。現在はDVDハイパーマルチドライブへの世代交代が進んでいる。
DVDハイパーマルチ  現時点での書き込み型DVDドライブの最終モデルであり、主流となっている規格である。DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+R、DVD+RW、2層タイプのDVD+R DL、DVD-R DLへの記録も可能となっている。今後、DVD+RW DLや DVD-RW DL の CPRM 対応型が登場するものと想定されるので、DVD書き込みドライブの真の最終ドライブが登場することになる。

 この規格以降は、次世代DVD(光ディスク)ドライブの登場により、世代交代が進むこととなる。


DVD記録容量の表示方法 DVD記録容量の表示方法。
 DVDの記録容量を表すのに、ここでは「GB(ギガバイト)」という単位を用いて表現している。1GB=10億バイトとして計算した値である。DVDの大きさには、直径12cmと8cmとがあるので、そのそれぞれについて記録容量を示した。

片面一層  ・4.7GB(12cm)(容量4.9GBのDVDもある)
 ・1.4GB(8cm)
片面二層  ・8.5GB(12cm)
 ・2.6GB(8cm)
両面一層  ・9.4GB(12cm)
 ・2.8GB(8cm)
両面二層  ・17GB(12cm)
 ・5.2GB(8cm)

次世代DVD技術 DVDの後継技術を目指す覇権競争。
覇権競争  現行のDVDは信じがたいほど多くの規格が乱立し、ユーザは最後まで混乱状態から抜け出すことはできなかった。

 これに対して、更に高性能な次世代DVDの規格競争が進行している。二つの陣営があり、幾度と無く規格統一交渉が行われたが、結局決裂し、今回も二つの規格が対立したまま、覇権競争を繰り広げることとなった。

 次世代DVDの規格には、「Blu-ray Disc(BD規格)」と「HD DVD規格」の二つがあり、激しい覇権競争をしている。両規格とも、現行のDVDで用いられる赤色レーザーよりも波長の短い青紫色レーザーを使用している。これらはDVDと呼ばれはするが、現行のDVDとは全くの別物である。

 BD規格を推進しているのは、ソニー、松下電器産業、日立製作所、三菱電機、シャープ、パイオニア、サムスン電子、デル、ヒューレット・パッカードであり、HD DVD規格を推進しているのは、東芝、NEC、三洋電機、マイクロソフトとなっている。

 HD DVDは現行の製造設備などが利用しやすいなどの利点が強調されるけれども、技術的レベルからいえば、BD規格がより優れている。筆者は早い段階から、製造設備が安いというのを「売り」にしていた「HD DVD」は、きっと敗退するに違いないと信じていた。そして、2008年2月19日、それが現実のものとなった。東芝がHD DVDから撤退するとの発表を行い、HD陣営は崩壊することっとなったのだ。

 生産設備が安いというのは、製造メーカーの利益であって、本質的には最高の品質を求めるユーザーをないがしろにした思考だったからだ、やはり最高の品質を追及した「ブルーレイ」が勝利したのは当然の帰結だったと思う。今回の次世代HD規格の混乱が長期におよばず決着したことは嬉しい限りである。

 ビデオ規格では、日本ビクターとソニーが10年もの長期にわたるフォーマット規格戦争を繰り広げ、ビデオの展開を遅らせた悪夢があったが、今回もまたそれが長期に繰り広げられるのではと、恐れおののいていた人たちに、ようやく、次世代DVDを購入できるチャンスが来たのである。