下に示す写真は、頭脳のMRI断層写真の一例です。
任意の角度から撮られたこのような影像を詳細に調べることで、悪性腫瘍(がん)などの病変の存在や、その大きさ、進行度合いなどを容易に確認することができるようになります。
このような画像をいろいろな切断面で確認することで、正確な診断が可能となるのです。
MRIによる測定では、画像を明確にするために、血液中にいわゆる造影剤を注入します。診断しようとする臓器などに造影剤が浸透した時点でMRI撮影をすると、その部位の詳細状況が解析できるからです。
|
|
一般に悪性腫瘍(がん)が存在すると、その部位での血流が少ないために、造影剤はすぐには浸透しません。
このため、造影剤を血液中に急速注入した直後に撮った断層写真では、まだがん部位には造影剤が到達しておらす、画像は白くなります。
一方、正常部位では、十分な血流により造影剤が短時間に到達するために、造影剤注入直後でも明確な画像が得られます。
|
そこで、造影剤急速注入から数分の時間経過後になって、再度、MRI撮影を行うと、今度はがん部位へも造影剤が十分に浸透しているために、明確な画像が得られるようになります。
このことから、造影剤急速注入直後と数分経過後のMRI画像に大きな変化が現れる部位があれば、そこには悪性腫瘍が存在する可能性が極めて高くなり、がんの存在、その大きさ、進行度などの診断が可能となるのです。
|
|