(出典:ウイキペディア)
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ポジトロンとは、陽電子のことで、普通の電子がマイナスの電荷を持っているのに対して、プラスの電荷を持つ電子のことです。
陽電子と電子とは符号はプラス・マイナスと反対ですが、その絶対値は同じです。
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陽電子と普通の電子とは、それぞれがプラスとマイナスの電荷を持つために互いに引き合う性質があり、両者は容易に衝突し結合します。
陽電子と電子が結合すると、両方とも一瞬で消滅し、電子の静止質量に等しいエネルギー(511eV)の光子(γ線:ガンマー線)が、正反対の方法に2個放出される特性があります。
この特性を利用して病気の診断などに用いるのがPET断層診断装置ですが、陽電子は自然界には存在しないので、PET検査に使用する直前に陽電子を発生させる必要があります。
陽電子を放出する物質を「陽電子放出核種」といいますが、通常、これらの物質の半減期は比較的に短かいために、サイクロトロンなどの装置により、検査に使用する直前に製造する必要があるのです。
ここで、ポジトロン核種とその半減期、および使用されるポジトロン発生機の種類を示します。
ポジトロン核種
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半減期
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発生装置(製造装置)
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11C(炭素-11)
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20分
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小型サイクロトロン
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13N(窒素-13)
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10分
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小型サイクロトロン
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15O(酸素-15)
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2分
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小型サイクロトロン
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18F(フッ素-18)
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110分
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小型サイクロトロン
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62C(炭素-62)
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10分
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ジェネレーター
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68Ga(ガリウム-68)
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68分
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ジェネレーター
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82Rb(ルビジウム-82)
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75分
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ジェネレーター
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(表:「PET検査Q&A(2003年3月5刷)」より(日本核医学会、日本アイソトープ協会 発行)
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