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〔亭主を早死にさせる方法〕 |
高齢化がますます進み、女性は世界一の長寿国となった日本の最近の大きな話題は熟年離婚問題です。 |
〔大体、旦那が自分の家に居て何処が悪い!?〕
女房どもは、旦那が働き続けた数十年間、家にいて、友達とデパート歩きをし、美味しいレストランがあると聞けば、早速試食に出かけ、有名歌手のコンサートがあると聞けば着飾ってディナーショーに参加し、確かに多少の食事の世話や掃除・洗濯・猫の世話・金魚の世話はするものの、早めの昼ごはんを食べ終われば、気持ちよく昼寝して、すき放題にやってきたではないか。 |
〔挙句の果てが熟年離婚かよ。〕
最近、暇になったから、老人会の旅行があると聞けば多少そわそわして、というか、いそいそと出かけるのは確かだが、この歳になって町内のおばあさん達とバス旅行をするくらいのことは許してくれたっていいだろう。 |
〔第1条:太らせなさい〕
早いとこ、厄介払いをして気楽な未亡人になりたいなら、とにかく、夫を思い切り太らせなさい。25キロ以上太らせることに成功したら、10年は早く自由を手にできます。 |
〔第2条:酒をしこたま飲ませる〕
太らせるだけじゃ不安なら、お酒をしこたま飲ませなさい。ウイスキーだのウオッカだの、強めのお酒をしっかり用意しておき、旦那が飲み干したら、すかさず何度でもグラスを満たしてあげるのです。チーズやサラミなど栄養たっぷりのおつまみもしこたまだすこともお忘れなく。 |
〔第3条:いつも座らせる〕
太らせ、お酒を飲ませた上で、とりわけ大事なのは、夫をいつも座らせておくことです。何かの気まぐれで、夫が散歩に行こうなどと世迷言を言い出したら、楽しみにしているテレビ番組の笑天だとか、何でも鑑定団だとか、がもうすぐ始まりますよと注意してあげなさい。水泳とかテニスをやりたいなどと言い出したら、いい歳をして何をいうのとからかいなさい。 |
〔第4条:飽和脂肪酸をたくさん食べさせる〕
幸い、ビーフが好きな旦那なら、上等な霜降り肉のような飽和脂肪酸たっぷりに食事を欠かすことなく腹いっぱいに食べさせなさい。卵も毎日2個じゃ足りないですね。3個は食べさせましょう。朝は卵焼き、昼にはゆで卵、夜にはおでんの卵という具合です。こうすれば、コレステロールは天井知らずに上昇すること請け合いです。 |
〔第5条:塩分の多い食事に慣れさせる〕
塩分の多い漬物を欠かすことなく食べさせなさい。食事の味付けはできるだけ濃くして、それに慣れさせなさい。こうすれば、確実に血圧も上がります。血圧が高くなったら塩分をより多くして、血圧をもっと上げてやればよいのです。グループフルーツは血圧を下げる効果があるので、もってのほかです。決して食べさせてはいけません。 |
〔第6条:コーヒーをがぶがぶ飲ませる〕
コーヒーは食物繊維が多く入った飲み物だから、便秘を防いだりしてダイエット効果があります。しかし、コーヒーを出すとき、砂糖と濃い目のミルクをたっぷり入れるのです。毎日、3度も4度も砂糖入りコーヒーを飲んでいれば、糖分は確実に血糖値をあげてくれるでしょう。 |
〔第7条:タバコをすすめる〕
簡単で、これほど効果確実なものもありません。とにかく、タバコをすすめなさい。未亡人希望者のあなたにとって、旦那のタバコは最良の味方です。 |
〔第8条:夜更かしをさせる〕
夜更かしも効果があります。とにかく、夜更かしさせなさい。深夜番組を見せたり、頻繁に来客を招きいれると、旦那はくたくたに疲れてくれる筈です。こうして、寝不足が蓄積すると、血行も悪くなり、突然死も期待できるというものです。過労と睡眠不足は夫を早目にあの世へ送り出してあげるよい方法になります。 |
〔第9条:休暇旅行に行かせない〕
油断してると、旦那はたまには休暇旅行や町内会の慰安旅行に行きたいなどと言い出します。温泉に浸かりでもしたら、身も心もリフレッシュしてしまい、まずいことになります。ですから、気まぐれで休暇旅行などに行きたいなどと言い出させないことです。 |
〔第10条:最後の仕上げに…しょっちゅう文句を言う〕
まあ、ここまでくれば、もう大丈夫なんだけど、最後の仕上げとして、心行くまで文句を言い続けましょう。来る日も来る日もあなたの小言が続けば、旦那はストレスがたまり、だんだん、体調が悪くなることでしょう。旦那はちっとも仕事をしないだとか、たまには食事くらい自分で作れだとか、お金のこととか、子供のこととかで文句を言い続けると効果抜群だとかいいます。 |
〔真実の女の願い〕
奥さん、本当にご主人を早く死なせたいなら、これで方法は分かりましたね。でも、もう一度考え直してみてください。本当にそれでいいんですか? 会社で亭主が上役にはどやされ、部下には馬鹿にされながら苦労に苦労を重ねていたこの数十年、随分いい思いをしてきましたよね。メロドラマに昼寝付き、ときにはお友達と小旅行に食べ歩き。。。 |
〔病院で〕
あるとき、あるところに女がいました。女は、いつも世話になっている知り合いの医師のところにくると、真剣な顔つきでこんなお願いをしました。 |
〔我が家で〕
薬を手に入れたことで、女はすっきりと気分がよくなった。早速、家に帰ると、直ぐに試してみなくちゃと思い、その薬をその夜の料理に入れてみた。それだけじゃ足りないかもと思いながら、コーヒーやジュースにも混ぜてみた。来る日もくる日も旦那の食事に入れ続けるのだった。 |
〔再び病院で〕
あれから、数ヶ月がすぎたある日のこと。女は医師のもとを訪れていた。 |