〔退職の決意〕
退職を決意するには、それなりの理由があるはずですが、退職後にどのように生活するのか十分に考え、準備をしてから最終的に決意しなくてはなりません。
中でも重大なことは、退職後にどのようにして収入を得るか、その手段を決定しておくことが大切です。
退職後、約半年間はいわゆる失業保険がもらえるのですが、その期間は意外と早く過ぎてしまいます。ですから、最初から失業保険をあてにするのではなく、退職後の収入獲得手段は決めておきましょう。別の企業に勤めるなら、就職先を決めてあれば安心です。
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〔退職の意思表明〕
通常の企業では、自己都合で退職するときの手続きというものが就業規則として定められています。特に悪いことをして懲戒免職になるような場合は即刻退職となりますが、全くの個人的な理由、意思で退職する場合には、そのような会社の規則に従って申請します。多くの場合、退職を希望する日のひと月前くらいに申し出なくてはいけないとなっていると考えられます。
自分が担当していた職務を引き継ぎ、退社後に会社に大きな迷惑を掛けないためにも、申し送りはきちんとしなくてはなりません。
尚、法律的には、退職日の2週間前までに意思表示すればよいことになっています。
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〔退職時に行うこと〕
自分が働いている間は、会社から、社章や名刺、通勤のための定期券、作業着、帽子、ヘルメットなどいくつかの支給品があるので、これらを返却します。
退職に伴う書類というものがあるので、それらはきちんと整理して会社に提出しておきます。また、逆に、後に失業保険などを申請する必要があるので、それらに必要な資料は確実にもらっておきます。
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〔退職のタイミング〕
どんな場合でも退職には大きなリスクが伴います。そのために、金銭面はできるだけ損をしないように、十分に考えてタイミングを決める必要があります。せこいようですが、自分にも、家族にも金銭面では最善のタイミングを見つけましょう。
退職日の決定には次の二つの重要な要素を考慮しなくてはなりません。
◆厚生年金などの保険料
◆ボーナス
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〔厚生年金などの保険料〕
会社からもらう毎月の給料から、各種税金や保険料などが天引きされています。退職日を間違うと、最後にもらう給料の手取り金額はかなり少なくなることも起こります。
一般に、厚生年金などの保険料は、月単位で徴収されます。退職時には、資格喪失日、つまり退職日の翌日の前月分まで天引きされます。
そのため、退職日は月末にしない方が安全です。もしも、月末日に退職すると、保険の資格喪失日が翌月の初日、即ち一日となり、その前月である退職月の保険料も天引きされてしまいます。
退職日を、月末以外の日にしておけば、退職月の保険料は天引きされないで済みます。その分、手取りは多くなります。
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〔ボーナス〕
多くの企業では、年に2回、ボーナスが支給されます。退職するタイミングは、何としてもモーナスをもらった後にしなくてはいけません。
一般に、どの企業でもボーナスの支給は、ボーナス支給日に会社に在籍していることが絶対的条件となっています。多くの企業では毎年大体同じタイミングでボーナスを支給しますが、経済情勢や会社の収益などいろいろな都合で支給日を遅らせたりすることもあります。
ボーナスの金額は、その期間の本人の成績などによって変化します。ですから、退職を切り出すタイミングは、ボーナスをもらってしまってからがよいでしょう。退職日はボーナスを受け取った後にするのが得策です。
もしも、ボーナス支給以前に退職を表明してしまうと、企業からみれば、会社を去っていく人はもう何も価値がないと見なされても仕方ないですから、成績評価が下げられてしまう危険性があります。
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