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〔車は金食い虫?〕

 人類の発明の中に、夜でも本を読めるようにしてくれた電灯は画期的な発明だった。

 遠方と話をする電話、遠方を見るテレビ、ご飯を美味しく炊いてくれる電気釜なども素晴らしい発明ということができる。

 そして、行動範囲を格段に広げてくれる自動車も偉大で優れた大発明である。

 現在、自動車はどの国においても当たり前の道具として使われており、もやは日常生活においても絶対に欠かせない必需品の一つとなっている。自動車は便利な道具というだけでなく、自動車を用いる職業、自動車とかかわることを趣味とする人なども多い。

 自動車は必需品であると同時にステータスを示す絶好の道具でもある。高貴であったり、お金持ちであったり、見栄っ張りである御仁は、最高級の車を乗り回し周囲から羨望の眼差しを浴びることに快感と優越感とを味わう。このような贅沢はできないがそれでも自動車をこよなく愛する人たちはミニチュアカーを蒐集してひとり密かに楽しむという手もある。

 自動車の楽しみ方は人それぞれにいろいろあるが、誰にとっても自動車をもつこと、自動車にのること、自動車を磨くこと、自動車を語ることはみな男のロマンなのである。

 日常生活で欠かすことのできない車だが、これほど便利なものがある反面、結構お金もかかるのは否めない。

 このページでは、車にどんなお金がかかるのか考えてみたい。その上で、車が発明されるまでの歴史を振りかえって考えることとしよう。古代の車輪の発明から、現在の車が発明されるまでの長い歴史を考えるのも楽しいものである。

 最初の自動車が発明されこの世に登場したのは1800年代の半ばのことであるが、車輪の歴史は意外と古い。車輪は紀元前3500年ころメソポタミアで発明された。最初、車輪は壺を造るための道具として使用されていた。その後、物を運ぶ道具に転じたのである。古代に車輪を用いていた証拠の壁画がエジプトやメソポタミアに残っている。古代の中国でも車輪は使用されていたが、マヤの人たちは車輪というものを知らなかったようである。

 このコーナーでは、自動車が発明されるまでの歴史を知り、自動車と関係するいろいろなことを学んでみたい。とりあえず、車輪が発明されて以来、自動車が発明され現代のような姿になるまでの歴史を調べてみた。




車のお金
〔車にかかるお金〕  
 車がなくては生きていけない。でも、一体、お金はいくら掛かるの? 今の時代、車は生活必需品ですね。でも、車は車検だとか、ガソリン代だとか、点検だとかで、金食い虫だという意見もあります。本当はどうなんでしょうか。このページでは、車にはどれくらいのお金が掛かるのか考えてみましょう。

 車があると自分や家族が好きなところに出かけられるので、とても楽しいものですが、普段は意識していない多くの費用が掛かるのも事実です。クルマは買うときだけでなく、買った後でもとても大きなお金がかかります。

 ちょっと調べてみたら、クルマに掛かる費用は、日常のガソリン代やオイル代などの通常費用の他に、沢山の項目があって、びっくり仰天でした。カローラのような大衆車と呼ばれるごく普通のクルマの場合でさえも、新車を購入して5年間乗るとして計算すると、毎月平均で4~5万円は必要です。

 ちなみに、クルマに掛かる費用には、自動車取得税、自動車税、自動車重量税、消費税、登録費用、車庫証明費用、納車費用、自賠責強制保険、任意保険料などの沢山の費用項目があります。これらの費用負担をしたうえで、どのように楽しむのか、それがクルマを保有する醍醐味ともなります。

 新車購入から5年間に必要な費用項目はこんなにあるんです。でも、それでもクルマに乗るんですよね!

〔車に掛かるお金の種類〕  
◆1年目
 自動車取得税、登録費用、自賠責保険料、自動車税、重量税、消費税、リサイクル料金、任意保険

◆2年目
自動車税、任意保険

◆3年目
自動車税、任意保険

◆4年目
自賠責保険、重量税、自動車税、車検代、任意保険

◆5年目
自動車税、任意保険

車の発明史
〔車輪の発明〕  
 車輪が発明されると、もちろんエンジンなど存在しない時代には、荷馬車が発明されて馬が主役となり運搬を行いました。日本では馬ではなく牛が主役となって運搬やいろいろな労役に使われました。昭和30年代までは「運送」とよばれる一種の荷車が使われていました。

〔蒸気自動車の試み〕  
 18世紀半ばのイギリスでは産業革命が進行していました。この時代の画期的発明の一つは1765年、ジェームズ・ワットによる蒸気機関の完成でした。蒸気が持つ巨大な力が人々に夢と活気とを与えました。これに影響されて、フランス人のニコラス・キューニョーが、世界で最初の蒸気自動車を試作し何度も実験をしたのですが、結局実用化には成功しませんでした。

〔最初の自動車の発明〕  
 蒸気自動車の失敗から約100年後の1885年のこと、ドイツのカール・ベンツが三輪のガソリン自動車を発明し、翌1886年1月29日、ベルリン帝国特許局は世界最初の自動車として「ガソリン・エンジンを動力とする車両」の特許を発行しました。同年、やはりドイツ人のゴードリップ・ダイムラーが四輪の自動車を発明しました。この二つの画期的な発明が実質的な自動車の誕生そのものでした。人々のそれまでの移動方法は馬に乗るか、当時最新の技術である蒸気機関車に乗るかしかなかった世界は一挙に革命の夜明けを迎えたのでした。

 1897年以降、ダイムラー社の販売担当のエミール・エネリックはアメリカ、フランス、ベルギー、ハンガリー、オーストリアでの独占販売権を取得し、愛娘「メルセデス」の名称で車を販売しました。1901年にレースで活躍しメルセデスの名を世に知らしめました。そして、1902年には「メルセデス」が商標登録されました。その後も、ドイツばかりではなく、フランスやその他のヨーロッパ諸国でも盛んに自動車が開発され新たな会社が設立されてゆきました。有名はアルファロメオ社が設立されたのもこの頃のことでした。イギリスでは1906年にロールスロイス社が設立されています。

〔自動車産業の発展〕  
 1896年には、アメリカでは、「デュリア自動馬車会社」がデュリア兄弟の手で設立され、自動車の商業生産が始まった。そして、1903年、アメリカのヘンリー・フォードがフォード・モーター・カンパニーを設立しました。フォード社の最初のモデルは「フォードA型」と呼ばれ、当時850ドルのこの車は1708台が販売されました。そして、1908年には、自動車産業に革命をもたらした運命の車種「フォードT型」が発売されました。この車はいわゆるベルトコンベアシステムによる大量生産システムを最初に導入した車で、大衆車として超大ヒットしました。本格的な自動車産業の発進であると同時に、いわゆる「大量生産・大量消費」時代の幕開けでもありました。

 ドイツでは、二つの発明を元にした二つの会社、ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社とベンツ&カンパニー社は競い合うように技術革新を加速していました。しかし、1918年に第一次世界大戦が終結するとドイツは急激な経済危機に見舞われました。1926年、この戦後の大不況を乗り切るために、両社は合併しダイムラー・ベンツ社が誕生しました。更に、1933年、政権を握ったアドルフ・ヒットラーは「国民車」の異名をもつ「フォルクス・ワーゲン」計画をスタートさせました。その特徴ある自動車「ビートル」はいまだに有名です。

 日本では、1933年に豊田佐吉が創業した豊田自動織機製作所が1935年に自動車製造を開始、1937年にトヨタ自動車工業株式会社として独立した。第二次大戦後のデフレにより1950年に経営危機に遭遇するものの、直後に勃発した朝鮮戦争時に米軍用トラックの大量受注により難を乗り越えた。その後はアメリカとの経済摩擦などの問題もあったが順調に進み、自動車の2006年度の生産台数ではGMを抜いて世界一位となっている。

〔自動車の持つ負の面〕  
 自動車は人類の生活に多大な貢献をした輝く面を持つと同時に、予想をしなかったような負の面も併せ持つ存在であることがわかってきました。18世紀に最初の自動車事故が報告されて以来、自動車には「交通事故」という恐ろしい災害がつきまとうことになったのです。そして現代では排気ガスによる大気汚染、更には地球温暖化というが深刻な問題を抱えることになってしまいました。

〔自動車の未来〕  
 今や人類は自動車を便利な道具としての側面だけで考えることができなくなり、これらの問題を地球規模で解決する必要に迫られているのです。最終的には電気自動車のような完全無公害車の開発が待たれるものの現在の技術ではまだまだ遠い目標である。ようやく、トヨタを初めとする日本車を中心に「バイブリットカー」が実用化の段階に到達したところである。

 最近、急速に変化の兆しがあるのは、石油から作られるガソリンに代わって、植物から作られるガソリンが実用段階に入ったことである。植物はその生育段階で空気中の炭酸ガスを吸収するので、このガソリンは実質炭酸ガスの発生ゼロという特徴がある。水素ガスを使った燃料電池車の開発も盛んに研究されているが、肝心の水素を石油から作るというのでは能がない。燃料電池そのものの開発だけでなく、水素を太陽光や植物から生成する技術の開発もして欲しいものである。

 自動車産業界では、新規技術が日進月歩で進められているけれども、中国やインドなどの発展途上国が急速に自動車の数を増やしている現状を見れば、本格的な無公害車やエコカーなるものの開発が待たれるわけである。

 2017年頃より、自動運転車の開発が急速に進歩し始めている。最近のコンピュータ技術、中でもAI(人工知能)による車の自動運転の時代が目の前にまで迫っている。これが完全実用化されれば、年寄りでも、色盲などを持つ障碍者など誰でも車を利用することができるようになる。

 自動運転車の実用化は急務でもあり、期待大であるが、それまでのハードルは決して低くはない。2030年代には大きく夢開くであろう。


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