Cr総量は、体内筋肉量に由来するので、正常値の範囲は、体筋肉量の多い男性の方が女性よりも高くなります。排泄される尿中のCr濃度も男性が女性より高くなります。 |
◆ 腎臓や慢性腎炎などの病気などに関する医学用語解説。 |
クレアチン |
クレアチンは、窒素を含有する有機物の一種で、肝臓や腎臓、膵臓、脾臓などの臓器で、「アルギニン」「グリシン」「メチオニン」の3種のアミノ酸から合成されます。また、肉や魚などの食物やサプリメントから摂取することもできます。 |
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クレアチンリン酸とATP |
筋肉内に取り込まれたクレアチンの一部分は、「クレアチンキナーゼ」という酵素の作用で「クレアチンリン酸」という物質に変換され、エネルギー源として貯蔵され、筋肉が瞬発力を必要とする瞬間などに活用されます。 |
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クレアチニン生成とエネルギー放出 |
ATPが持つ三つの「リン酸」のうち一つを放出して「アデノシン二リン酸(ADP)」という物質に変化するとき、「クレアチニン」という物質が生成され、同時に多量のエネルギーを放出します。 |
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ATP再生とクレアチニン |
筋肉中に存在するATPの量はごく少量なので、このエネルギーは主に「瞬発力」を発揮するために使われますが、直ぐに消費し尽くされてしまいます。そこで、新たな「クレアチン」が供給されて、不足状態となったATPを補給するための反応が起こります。
尚、血中クレアチニン濃度の上昇、あるいは低下で想定される疾患などとしては、次のようなものがあります。
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クレアチニン係数 |
尿中クレアチニンの排泄量は、年齢や体重などによる筋肉の発育と運動量とに関係していて、個人差があります。このため、尿中へのクレアチニン排泄量を「クレアチニン係数」という指標に変換して、腎機能状態の把握に用いることがあります。
クレアチニン係数に変換すると、比較的個人差が少なくなり、健常成人男性では、ほぼ20~26、女性では14~22の範囲の値をとります。このクレアチニン係数の有用性は、他の蓄尿を必要とする検査において、採尿が正しく行われたかの確認や、筋肉の発達度の推定などで発揮されます。 |
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血清クレアチニン濃度 |
血清クレアチニン濃度は、腎臓における尿の濾過機能低下に応じて上昇します。そのため、腎機能低下状況の確認や腎障害、尿路閉塞性疾患などの経過観察、治療効果の確認に活用されます。また、血液の人工透析が必要な場合の透析の導入時期決定などにも重要な判断因子となります。 |
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クレアチニン・クリアランス |
クレアチニン・クリアランスは、腎臓が体内に蓄積した老廃物を、尿として排泄する能力を調べる検査です。別ないい方をすれば、この方法はクレアチニンなど身体内に蓄積した老廃物を、尿中に排出する効率を測定する検査で、腎機能の低下を早期に検出できる方法です。
Ccr=(U * V)/ S * 1.73/A クレアチニン・クリアランスの正常値の範囲は、下表のようになっていますが、通常、男女ともに、100[ml/min]以上であれば正常とされます。
40歳を過ぎると、10年、年齢が上がるごとに、クレアチニン・クリアランス値は約10%低下するのですが、想定以上に低すぎるときは腎機能が低下していることを意味します。
クレアチニン・クリアランス検査は、相当な手間がかかるため、簡便に推定する方式が考案されています。このような方法は、あくまでも簡便法なので、明らかに腎機能低下が疑われる状態では、正式な方法でクレアチニン・クリアランス値を求めることが推奨されます。
Clcr = (140-Age)* Weight / 72 / Scr |