〔電話ひとつでも〕
電話の応対ひとつでも、社内の人と話すときと、社外のお客さんなどと話すときでは、大きく異なります。違いを理解していないと、大きな問題も起こるので要注意です。
新入社員を教育すべき人が、後輩の前で無知と思われたり、恥をかかないためにも、敬語の使い方を確認して見ましょう。敬語は会話の場面によりいろいろですが、あたなの日ごろの言葉遣いを思い返しながら、チェックしておくとよいでしょう。
電話が架かってきて、女子社員が応対しています。「はい。ただいま、○○課長は外出されております」。この応答は一見、丁寧に見えます。電話の相手が社内の人の場合ならこれでOKですが、社外の人からの電話なら、これは正しくないのです。どうしてなのか、よく考えて見ましょう。
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〔尊敬語〕
尊敬語は、尊敬すべき相手や、相手に関係のある人や、持ち物、状態、動作を敬って使う言葉です。基本的に、相手を自分より高める表現を用いて、相手に対しての敬意を表します。尊敬語にはいくつかのパターンがあります。
◆〔動詞+「れる」「られる」型〕
このパターンの動詞として、尊敬すべき相手が行動するときに使うべき尊敬語の例を示します。
・行く → 行かれる
・見る → 見られる
◆〔「お(ご)」+「様」などの接続語・接尾語をつける型〕
尊敬すべき相手の家族や部下、考えなどに対する尊敬語の例を示します。
・考え → お考え
・子息 → ご子息様
・婦人 → ご婦人様
・客 → お客様
・連れ → お連れの方
◆〔「お(ご)」+動詞+「になる」「なさる」「くださる」型〕
尊敬すべき相手の動作を表現する敬語として、このパターンの動詞も数多くあります。このパターンの尊敬語の例を示します。
・出かける → お出かけになる
・帰る → お帰りになる
・持つ → お持ちになる
・退席する → ご退席なさる
・発言する → ご発言なさる
・来店する → ご来店なさる
・検討する → ご検討くださる
◆〔別の言葉に置き換える型〕
上記のようなパターンでは、尊敬の念を十分に表現しにくい場合などには、まったく別の言葉に置き換えて表現すると、より敬意を表した形となることがあります。このパターンの尊敬語の例を示します。
・言う → おっしゃる
・来る → お越しになる、お見えになる、いらっしゃる
・見る → ご覧になる
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〔謙譲語〕
謙譲語は、会話の相手を敬うために、自分自身や自分の近親者、同じ職場の仲間などをへりくだって表現する言葉です。自分の側を低く表現することで、相手を間接的に敬います。謙譲語にもいくつかのパターンがあります。
◆〔「お(ご)」+動詞+「する」「いただく」型〕
尊敬すべき相手の動作を表す動詞に、「お」や「ご」の接頭語を付けるとともに、動詞の後に「する」や「いただく」という語句をつけて敬意を表す。このパターンの謙譲語の例を示します。
・呼ぶ → お呼びする
・送る → お送りする
・協力する → ご協力いただく
・参照する → ご参照いただく
◆〔別の言葉に置き換える型〕
上記のようなパターンでは、尊敬の念を十分に表現しにくい場合などには、まったく別の言葉に置き換えてへりくだることで、より敬意を表した形となることがあります。このパターンの尊敬語の例を示します。
・言う → 申す
・行く → 伺う、参る
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〔丁寧語〕
相手への敬意を表する言葉として、特別に丁寧な言葉を用いることがあります。これを丁寧語といい、いくつかのパターンがあります。
◆〔「お」「ご」「御」などの接頭語を付ける型〕
一般に「お」や「ご」「御」などの接頭語を付けると、丁寧な言葉となります。しかし、外来語にはこれらの接頭語をつけないことになっています。
・水 → お水
・飯 → ご飯
しかし、外来語に丁寧語としての接頭語を付けると違和感があります。
・「おコーヒー」は間違いです。
・「おビール」は間違いです。
◆〔敬体(です、ます)を用いる型〕
いわゆる「です・ます」調の表現です。
・食べる → 食べます
・きれいだ → きれいです
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