|
|
|
〔あ〕で始まる諺 |
〔あ〕で始まる〔諺〕には、多くのものがあります。これらの中で、次に示す諺などは真実を微妙に言い当てていて、面白く頻繁に耳にします。 |
|
あい |
●愛多ければ憎しみ至る (あいおおければにくしみいたる)
大切に愛されていると、他の者から憎まれるようになること。 |
●愛及屋烏 (あいきゅうおくう)
ある人を愛するあまり、その人にまつわる全てのもの、その人の家の屋根に止まっている烏(からす)さえも愛おしくなるということ。溺愛、盲愛のたとえ。 |
|
●愛想尽かしは金から起きる (あいそづかしはかねからおきる)
嫌気がさしたり離れて行ってしまう原因は、お金が絡んでいる。 |
|
●愛想も小想も尽き果てる (あいそもこそもつきはてる)
愛情が消えうせて嫌になってしまうこと。 |
|
あう |
●会うは別れの始め (あうはわかれのはじめ)
会うは別れの始めとは、出会った人とは、いつか必ず別れるときが来てしまうものだということ。 |
あお |
●青菜に塩 (あおなにしお)
ものごとがうまくいかず、元気をなくして、しょんぼりしている様子、すっかりしょげている様子をいう。 |
●青は藍より出でて藍よりも青し (あおはあいよりいでてあいよりあおし)
青色の染料は草の藍(あい)から作られるが、それはもとの藍草よりももっと鮮やかな青となる。 |
|
あき |
●秋の扇 (あきのおうぎ)
秋の扇とは、愛が終ったために男に捨てられる女のたとえ。 |
●秋の日は釣瓶落とし (あきのひはつるべおとし)
秋の日が急に沈んでしまうことを、井戸に落とす釣瓶(つるべ)にたとえていう言葉。 |
|
あく |
●悪事千里を走る (あくじせんりをはしる)
悪い行いや悪い評判は、たちまちの間に世間に知れ渡るということ。 |
あさ |
●麻の中の蓬 (あさのなかのよもぎ)
自然に感化されて善人になることのたとえ。良い環境によって善が生ずることのたとえ。 |
あた |
●頭の上の蝿も追えぬ (あたまのうえのはえもおえぬ)
とかく人の世話を焼きたがる者に対して、人の事よりもまず自分自身のことをちゃんとやれということ。 |
あつ |
●悪貨は良貨を駆逐する (あっかはりょうかをくちくする)
悪い物が蔓延ることで良い物が淘汰されてしまうこと、悪がはびこると善が滅び去るというたとえ。 |
●羹に懲りて膾を吹く (あつものにこりてなますをふく)
ひとつの失敗に懲りてしまい、度を越して用心深くなることのたとえ。 |
|
あと |
●後足で砂を掛ける (あとあしですなをかける)
恩義のある人を裏切るばかりか、去りぎわに恩をあだで返すような行為をして、さらに迷惑をかけることのたとえ。 |
●後の祭り (あとのまつり)
良い時機を外し、何の役にも立たないこと。もはや、手遅れであること、効を失うことのたとえ。 |
|
あは |
●痘痕も靨 (あばたもえくぼ)
痘痕も靨とは、人を好きになってしまえば、その人の欠点さえも長所に見えるようになってしまうというたとえ。 |
あふ |
●危ない橋を渡る (あぶないはしをわたる)
仕事などで、目的を達成するために、危ないと分かっていても、無理をして、危険な手段をあえて使うことのたとえ。 |
●虻蜂取らず (あぶはちとらず)
欲張って二つのものを同時に手に入れようとして、結局はどちらも得られず失敗すること、欲を出しすぎると失敗することのたとえ。 |
|
あま |
●雨垂れ石を穿つ (あまだれいしをうがつ)
雨垂れ石を穿つとは、どんなに小さな力でも、根気強く続けるならいつか成果が得られるものだというたとえ。 |
あみ |
●網呑舟の魚を漏らす (あみどんしゅうのうおをもらす)
法網がゆるやかだったり、大まかであるために大罪人を逃してしまうことのたとえ。 |
あめ |
●雨降って地固まる (あめふってちかたまる)
揉め事やトラブルが発生しても、それが解決したあとは、かえって良い結果や良い状態になることのたとえ。 |
あわ |
●鮑の片思い (あわびのかたおもい)
磯の鮑の片思いとは、あわびの貝殻が片方にしかないことに似せて、自分の片思いを洒落ていうことば。 |
あん |
●鞍上人なく鞍下馬なし (あんじょうひとなくあんかうまなし)
乗り手が巧みに馬を乗り回し、乗り手と馬が一体となって疾走するさま。 |
●安寧秩序 (あんねいちつじょ) 世の中が穏やかに治まり、安全と秩序がきちんと保たれていること。 |